歌人・柿本人麻呂にゆかりのある茶道具を盗んだ容疑で、奈良県警は18日、徳島市の無職・中川久美子容疑者(59)と長男の真吾容疑者(39)を逮捕した。盗まれた茶道具は3千万円相当のものだという。テレビ朝日などが伝えた。
報道によると、盗まれたのは「香合」と呼ばれるお香入れ。中川容疑者親子は、奈良県に住む女性(72)の自宅を古着の買い取りで訪問し、女性が席を外した間に香合を盗んだ疑いが持たれている。2人は香合を約70万円で古物商に売ったが、その後大阪市内の競売で3千万円で落札されたと言う。
香合は、柿本人麻呂が植えたとされる柿の木から作られたもので、茶道の裏千家11代玄々斎が指示して作らせたとされている。幕末から明治初期に作られたもので、同じ木から作られたものは、盗まれたもののほかに3点しかないという。
一方、中川容疑者親子はともに容疑を否認している。