10人が死亡し20人以上が負傷したバングラデシュのバニアルチャル・カトリック教会に対する爆弾攻撃から13年。バングラデシュにある世界教会協議会(WCC)の加盟教会を代表するキリスト教徒たちが、首都ダッカにいるイスラム教徒やヒンドゥー教徒、仏教徒たちとともに、この攻撃の被害者たちとの連帯を表明し、彼らのためのすみやかな正義を要求した。世界教会協議会が5日に公式ウェブサイトで伝えた。
これらの連帯の表明は、バングラデシュ教会協議会(NCCB)の代表者たちを含む約200人を集めて3日にダッカで開かれた集会で、最も強調された点となった。
同集会はバングラデシュ・ヒンドゥー・仏教・キリスト教結束協議会によって企画された。
この抗議集会の参加者たちは、バングラデシュ政府に対し、この攻撃を調査し、攻撃者たちを起訴するよう訴えるとともに、「正義の遅延は正義の否定だ」と主張した。
「教会として、私たちはバニアルチャル教会に対する攻撃のようないかなる暴力行為も非難する。なぜなら、これらのような事件はバングラデシュが持つ平和的共存と社会の調和という価値を危険にさらすことになりかねないからだ」と、NCCBのデイビッド・A・ダス牧師は述べた。
彼は、何年も経った後でさえ、被害者の家族たちには補償金の支払いがないと付け加えた。「私たちは政府や関係当局に対し、本件を深く掘り下げて犯人を起訴するよう訴える」とダス氏は付け加えた。
「バングラデシュ憲法は、信教の自由を保障している。しかしながら、同憲法の精神を遂行し宗教的少数者の権利を守るために、過激主義の脅威を減らさなければならない」と彼は述べた。
バングラデシュのキリスト教徒のような少数者が攻撃されたことは不幸なことだと、仏教指導者でバングラデシュ・ヒンドゥー・仏教・キリスト教結束協議会の組織幹事であるビプロブ・バルア氏は語った。
「私たちが自国の政府に思い起こしてほしいのは、宗教に関わらずすべての人々の人権を支持している私たちの憲法に従って、彼らがすべての共同体の保護について責任があるということだ。これらの価値はバングラデシュという国全体の福祉に不可欠だ」と彼は付け加えた。
ヒンドゥー教の出身でバングラデシュ・ヒンドゥー・仏教・キリスト教結束協議会の最高会議員であるカゾル・デブナス博士は、「私たちが被害者たちのことを憶える一方で、私たちは6月3日にこの教会を攻撃した者たちのようなテロリスト集団に対して、政府の注意を引かなければならない。これらの集団は政治的な目的をあやつるためにそのような活動を行っているのだ」と述べた。
「政府は、1971年のバングラデシュ憲法に保障された人権の保護に対する支持をもっと示し確かなものにしなければならない。私たちの基本的な価値は、宗教や民族、カーストや信条にかかわらずすべての市民の権利を促進するものだ」とデブナス氏は語った。
WCCはバングラデシュで、とりわけ宗教的少数者に関する人権の保護のために闘う加盟教会と信仰に基づく団体や市民団体を支援している。3月には、WCCの人権プログラムやその国際問題に関する教会委員会、そしてバングラデシュ少数者協議会による支援を受けてジュネーブで開かれた会議で、バングラデシュにおける人権問題が取り上げられた。
バングラデシュは、全国民のうち1億5千万人を超える大多数がイスラム教徒であり、約10パーセントがイスラム教以外の宗教共同体に属している。