日本国際飢餓対策機構(JIFH、大阪府八尾市)は、1988年以来20年間にわたって行ってきた、バングラディッシュの首都ダッカにある小児専門病院と病院併設の治療センターへの支援を、「極度の栄養不良の子どもたちを救う」という当初の目的を達成したとして、今年6月をもって終了した。
同機構が支援を行ってきた「シシュ・ホスピタル」は、ダッカ市内に位置する国内有数の小児専門病院。貧しい人々に対しては無料で治療を行っている。また、同病院併設の「小児治療センター」は、子どもに付き添う母親や家族、退院後でも外来治療が必要となる子どもたちの宿泊施設として提供されてきた。
同機構の報告によれば、バングラディッシュにおける5歳未満の子どもたちの死亡率は20年前に比べて3分の1に減少。これまで入院する子どもたちは、極度の栄養不良というケースがほとんどであったというが、ここ数年は、サラセミア(地中海貧血)などの病気そのものと戦うために入院するケースが増えているという。
「これは当機構を含む様々な草の根レベルでなされた貧困解消の取り組みが実を結んだ表れ」と、同機構はこれまでの活動を評価している。両施設への支援は「いのちの危機に対する緊急援助」として行われ来たため、今後はさらに必要のある地域での活動に従事することになるという。