STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)の論文問題の渦中にある、論文筆頭執筆者の小保方晴子氏(理化学研究所・研究ユニットリーダー)が7日、心身の状態が不安定だとして入院した。小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士が明らかにした。一方、8日には、論文の作成過程で捏造など2つの不正行為があったとした理研の調査結果に対して不服を申し立て、9日には記者会見を開く。時事通信などが伝えた。
時事通信によると、小保方氏は「きちんと私の口から説明します」と記者会見の開催を希望したという。7日に心身の状態が不安定だとして大阪市内の病院に入院したが、会見を開かないために起る批判からのストレスなども考慮し、医師と相談の上で9日の記者会見を決めたという。
小保方氏が公の場に出るのは、1月28日にSTAP細胞発表の記者会見に登場して以来。9日の記者会見は午後1時から大阪市内のホテルで行われる予定。
STAP細胞の論文を巡っては、理研の調査委員会が1日、調査を行った6点の内2点において、捏造(ねつぞう)や改ざんという意図的な不正が小保方氏によって行われたとする報告を発表した(他の4点では不正を認めなかった)。
一方、同報告では、論文に関わった若山照彦氏(山梨大教授)と笹井芳樹氏(理研・グループディレクター)についても、研究上の不正はなかったが、データの正当性・正確性について充分な確認をせず、論文を投稿したとして、責任は重大だとした。
この調査報告に対して、小保方氏は「驚きと憤りの気持ちでいっぱいです。特に、研究不正と認定された2点については、理化学研究所の規程で『研究不正』の対象外となる『悪意のない間違い』であるにもかかわらず、改ざん、ねつ造と決めつけられたことは、とても承服できません」などとするコメントを発表、不服を申し立てることを明らかにしていた(関連記事:STAP細胞論文捏造疑惑:小保方晴子氏、調査報告に反論「驚きと憤りの気持ちでいっぱい」 コメント全文)。