米マイクロソフト社の創業者で元会長であるビル・ゲイツ氏(58)が、宗教的な事柄についての質問を受け、「これ(世界)が偶然にできたというのは、ご存じの通り、ちょっとひどい世界観というものです。神が存在すると信じるのは筋が通っていると思います」などと語った。
ゲイツ氏は今月発行された米ローリング・ストーン誌のインタビューで、「神を信じますか」という率直な質問を受けた。ゲイツ氏はこの質問に、イギリスの進化生物学者で熱烈な無神論者として知られるリチャード・ドーキンス氏を挙げ、同氏のように人類が創造神話の必要を感じたとする人々の考えに同意するとしながらも、「しかし、世界の神秘とその美しさというのは圧倒的に驚くべきもので、これらがどのように生じたのかを説明する科学的説明は存在しません。これが偶然にできたと言うのは、ご存じの通り、ちょっとひどい世界観というものです」と語った。
そして、「神が存在すると信じるのは筋が通っていると思います。しかし、神がそれぞれの人生でそれぞれが異なる決定をすることを事細かに決めているかは分かりません」と語った。
ゲイツ氏はこの他、今回のインタビューで「あなたは科学技術者でしたが、(ビル&メリンダ・ゲイツ)財団での現在の多くの活動は道徳的な側面が大きいです。この数年で宗教が持つ価値に対しての考えが変わりましたか」という質問も受けた。
この質問にゲイツ氏は「宗教が持つ道徳システムというのは非常に重要だと思います」と回答。「私たちは子どもたちを宗教的な方法で育てました。(妻の)メリンダが行き、私も参加していたカトリック教会に子どもたちも行きました」と自身の宗教的な生活について触れ、「私はとても運が良かったですので、世界の不公平をなくす責任があると思っています。これは宗教的信条の一種です。最低限の道徳的な信条ということです」と語った。