イタリアで無神論者がキリストの存在を否定しようと、ローマカトリック教会を訴えようとしている。
現在無神論者であるルイジ・カッシオーリ氏は一時神学学生であったが、同じ神学の先輩で教区新聞を出版しているエンリコ・リッヒ司祭に対し、イエスキリストは実在しなかったとして訴えている。
カッシオーリ氏は教会に核心的な打撃を与えるために裁判を始めることを決意し、さらに教会は反啓蒙主義、退行の伝播役を担っているだけだと主張している。
またリッヒ司祭を通してすべての教会をイタリアの二つの法律に違反しているとして訴えた。第一に人々を詐欺やだましから守るための名高い信仰を濫用していると挙げた。そして第二に擬人化を挙げた。さらに一世紀のユダヤ人とローマ軍の戦いで功績を治めたユダヤ人ヨハネの人間性の上にキリストを作り上げていると主張した。
裁判所では1月27日に行われる予審で召集されたリッヒから意見を聴取し、この裁判が続行するに足るものかどうか決めるという。
リッヒ司祭はカッシオーリ氏と同様にバグノレジオ町出身で、どうして同じ神学の学生がキリストの存在を否定しているのか、この大きな教会との戦いの意義は何なのかと当惑しているという。リッヒ氏は判決は公聴会を取り仕切る判事がこのような事例を何度も却下しようとしたことから今回の裁判は自分に有利であると信じている。
リッヒ司祭は「カッシオーリはキリストは実在しなかったと主張しているが、私は実在したと主張している。キリストが実在したかしなかったかを決めるのは裁判官の手にかかっている。」と述べたという(ロイター通信)。
またカッシオーリ氏も「もし勝ったら奇跡だ」と相手側の優勢を認めている。