伝道者ピリポがエチオピヤ人の宦官を伝道した時には、まだ新約聖書ができていませんでした。ピリポはイザヤ書53章から彼を救いに導きました。そのように私たちも旧約聖書から新約を解いていけるようになりたいものです。
「すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前から彼にあって選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました。神は、みむねとみこころのままに、私たちをイエス・キリストによってご自分の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられました」(エペソ1章4、5節)
初めから神様は、キリストにおいて全人類を救おうと決めておられました。善悪の木の実をアダムとイブが食べるその前から人類の救いのことを考えておられたのです。世界の初めから神は、新約を決めていたのです。
旧約聖書ヨブ記の内容も、結局は新約の内容のことを説明しています。ヨブは「自分の義で律法を守っている」ことを誇り、神に近づいていきました。神の義と自分の義の違いが、ヨブ記の中で語られています。自分の義は「ぼろ雑巾の義」であり、私たちは「神の義」によってしか天に行くことができません。
では、詩篇84篇から新約の中身を解いていきたいと思います。
「万軍の主。あなたのお住まいはなんと、慕わしいことでしょう。私のたましいは、主の大庭を恋い慕って絶え入るばかりです。私の心も、身も、生ける神に喜びの歌を歌います。雀さえも、住みかを見つけました。つばめも、ひなを入れる巣、あなたの祭壇を見つけました。万軍の主。私の王。私の神よ。なんと幸いなことでしょう。あなたの家に住む人たちは。彼らは、いつも、あなたをほめたたえています」(詩篇84篇1~4節)
「神様のお住まいはなんと慕わしいことだ」と言っています。主の大庭にいたいと慕っています。心も身も魂も、生ける神に喜びの歌を歌っています。
ここでは、「(物理的に)すばらしい家、立派な家に住みたい」ということを言っているのでしょうか。神の国そのものを慕っているのでしょうか。「その家に住んでよかった」と言っているのではなく、「いつも、あなたをほめたたえています」と言っています。
神の国、(物理的に)そこに行きたいのではなく、立派な家そのものを求めているのではなく、「住んでおられる方」を求めており、生ける神に対して喜びの歌を歌っています。私たちの信仰は「神に対するもの」であることを忘れてはいけません。
「なんと幸いなことでしょう。その力が、あなたにあり、その心の中にシオンへの大路のある人は。彼らは涙の谷を過ぎるときも、そこを泉のわく所とします。初めの雨もまたそこを祝福でおおいます。彼らは、力から力へと進み、シオンにおいて、神の御前に現れます」(詩篇84篇5~7節)
「幸いな人」とはどういう人でしょうか。心の中にシオンへの大路のある人は幸いだと言っています。これはどういう「路」なのでしょうか。(続く)
■ 旧約から新約を解く:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
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徐起源(そう・きうぉん)
ERM聖書学校校長。恵那クリスチャンセンター(岐阜県恵那市)牧師。恵那レーマミニストリー代表、愛知県一宮市の超教派聖会「ワールド・リバイバル・カンファレンス」の理事・講師を務めるなど、その活動は多岐にわたる。同校本部の岐阜県恵那市に加え、京都、岡崎(愛知)、沖縄、立川(東京)など全国数カ所で聖書学校、聖会をおよそ月1回のペースで行っている。インターネット聖書学校、通信聖書学校等も現在開講中。※画像は恵那レーマミニストリーのロゴ。
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