前回はイエス様の時代、ポンテオ・ピラトの時代の出来事を見てきました。
「そこで彼らを呼んで、いっさいイエスの名によって語ったり教えたりしてはならない、と命じた」(使徒の働き4章18節)
「釈放されたふたりは、仲間のところへ行き、祭司長たちや長老たちが彼らに言ったことを残らず報告した」(同23節)
ペテロに対して、長老たちと祭司長たちが組んで敵対しています。4章26節では「地の王たちは立ち上がり、指導者たちは、主とキリストに反抗して、一つに組んだ」とイエス様について書かれているのに、ここではペテロに対して適用されています。
キリストの弟子たちが苦しみ、迫害の中にあります。
「主よ。いま彼らの脅かしをご覧になり、あなたのしもべたちにみことばを大胆に語らせてください。御手を伸ばしていやしを行わせ、あなたの聖なるしもべイエスの御名によって、しるしと不思議なわざを行わせてください。」彼らがこう祈ると、その集まっていた場所が震い動き、一同は聖霊に満たされ、神のことばを大胆に語りだした」(同29~31節)
クリスチャンに対する迫害に、イエス様について書かれている御言葉(26節)を用いています。
教会はキリストのからだです。
「あなたがたのからだはキリストのからだの一部であることを、知らないのですか。キリストのからだを取って遊女のからだとするのですか。そんなことは絶対に許されません」(Ⅰコリント6章15節)
「さあ、彼らのかせを打ち砕き、彼らの綱を、解き捨てよう」(詩篇2編3節)
イエス様の十字架の死の後、迫害を含むイエス様による解放を同節は意味しています。解放され、次はどういう状況になっていくのかが4節、5節に書かれてあります。
「天の御座に着いている方は笑い、主はその者どもをあざけられる。ここに主は、怒りをもって彼らに告げ、燃える怒りで彼らを恐れおののかせる」
神様が怒りをもって彼らに告げるということが預言されています。
「また私は、大きな白い御座と、そこに着座しておられる方を見た。地も天もその御前から逃げ去って、あとかたもなくなった。また私は、死んだ人々が、大きい者も、小さい者も御座の前に立っているのを見た。そして、数々の書物が開かれた。また、別の一つの書物も開かれたが、それは、いのちの書であった。死んだ人々は、これらの書物に書きしるされているところに従って、自分の行いに応じてさばかれた。海はその中にいる死者を出し、死もハデスも、その中にいる死者を出した。そして人々はおのおの自分の行いに応じてさばかれた。それから、死とハデスとは、火の池に投げ込まれた。これが第二の死である。いのちの書に名のしるされていない者はみな、この火の池に投げ込まれた」(黙示録20章11~15節)
ここでは神のさばきが預言されてあります。いのちの書に名のしるされていない者、そしてサタンもこの中に入れられていき、ハデスもこの火の池に投げ込まれると書かれています。
地獄には2つあります。神の支配の中の地獄と、サタンの裁きのための地獄があります。ハデスというのは、サタンの領域のことを言います。
「ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません」(マタイ16章18節)
ハデスとはサタンの領域、教会と敵対する領域のことであり、終わりの日には悪霊も火の池に投げ込まれていくと書かれてあります。しかし「ハデスの門(サタンの領域の門)もそれには打ち勝てない」と書かれてあります。
「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。わたしの聖なる山、シオンに」(詩篇2編6節)
この王は復活されたイエス様のことです。そのことを次の7節で見ます。
「わたしは主の定めについて語ろう。主はわたしに言われた。『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ』」
使徒の働き13章30~41節を読んでみますと、この7節がイエス様の復活として捉えられていることがわかりますが、ここで不思議に思いませんか。「あなたはわたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ」とあります。
これは「新しく生まれる」ということを意味しています。イエス様は十字架で一回死なれてよみがえられました。私たちの罪をもって、イエス様は死なれたのですが、そもそも初めから、イエス様は神の子です。箴言8章22~31節にそのことが記されています。
「主は、その働きを始める前から、そのみわざの初めから、わたしを得ておられた。大昔から、初めから、大地の始まりから、わたしは立てられた。深淵もまだなく、水のみなぎる源もなかったとき、わたしはすでに生まれていた。山が立てられる前に、丘より先に、わたしはすでに生まれていた」(箴言8章22~25節)
そのように考えますと、十字架で死なれる前も神の御子、もともと神の御子であられたのに、御子が死なれよみがえられたことで、神様は何を喜んでおられるのでしょうか。(続く)
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徐起源(そう・きうぉん)
ERM聖書学校校長。恵那クリスチャンセンター(岐阜県恵那市)牧師。恵那レーマミニストリー代表、愛知県一宮市の超教派聖会「ワールド・リバイバル・カンファレンス」の理事・講師を務めるなど、その活動は多岐にわたる。同校本部の岐阜県恵那市に加え、京都、岡崎(愛知)、沖縄、立川(東京)など全国数カ所で聖書学校、聖会をおよそ月1回のペースで行っている。インターネット聖書学校、通信聖書学校等も現在開講中。※画像は恵那レーマミニストリーのロゴ。
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