平塚敬一・前立教女学院理事長が、自民党の憲法改正草案の中にキリスト教学校にとって看過することのできない条文があると語った。
プロテスタント系のキリスト教学校が加盟するキリスト教学校教育同盟が開催した第55回学校代表者協議会の講演で、平塚氏は、憲法13条の「すべての国民は、個人として尊重される」という箇所について、自民党案では「全て国民は、人として尊重される」となり、「個人」が「人」と変更されていることを指摘。個人の尊厳を定めている同箇所の変更により、「基本的人権に対する考え方が根底から変わってしまう」と危惧を示した。キリスト教学校教育同盟が、毎月発行する月刊紙「キリスト教学校教育」で講演の内容を伝えた。
平塚氏は「キリスト教学校のキリスト教学校たる由縁は、突き詰めて言えば、『人種・宗教・性別などを超えて個を大切にする』教育を創立以来、あらゆる事柄に優先させて主張、実践してきたのではないか」「児童・生徒・学生、一人ひとりを『個』として尊重する姿勢を建学の理念に基づいて教育をつづけてきたのではないか」と訴えた。
その上で、「現政権が憲法改正を今後どのような手続きで進めていくのか注視していく必要があるが、教育同盟は早急にこの問題に対して公式見解、あるいは意見を表明すべきであろうと思う」と語った。