10月17日、衆議院議員第一議員会館(東京都千代田区)で第62回国政報告会が行われ、クリスチャン衆議院議員の土肥隆一氏が最近の国政に関する報告を行った。
一分間の黙とうの後、参加者全員で第一テモテの手紙2章1節~3節、ゼカリヤ書3章9節を朗読、その後日本基督教団総会議長石橋秀雄氏が開会祈祷を行った。
神を畏れる政治・経済・科学へ―
石橋氏は「主イエス・キリストを信じる国会議員とともにこの会を覚えて祈る時を主がお与え下さり感謝します。主イエス・キリストを信じる信仰をもって献身して仕える国会議員の皆様の上に主の祝福が豊かにありますように。三位一体の子なる主イエスご自身が十字架によって人間の痛みを全て担ってくださいました。御自身を捧げ尽くされた神の愛の支配がこの地に広がりますように。この地に、日本に、世界に真の平和が実現することができますように、どうぞ導いてください。この確信をもって日本の政治を担うキリスト者の国会議員の皆様のために、日本のすべての教会が熱い祈りを捧げていくことができますようにどうぞ導いてください」と祈りを捧げた。
また今年ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学教授の山中伸弥氏が、神の領域に踏み込んでいくiPS細胞研究に対して「神への畏れる心が必要だ」と理解していることに触れ、石橋氏は「政治・経済・科学すべての分野で大きな負荷を持つ方々が、『神への畏れる心』をもってその力を発揮され、人々の平和と幸せ、世界の平和に仕える業が進められていくことができますように祈ります」と伝えた。
土肥氏は現在の国政に関して、「混沌たる状況に陥っております。もうまもなく衆議院選挙が行われますが、この国の政治を司る圧倒的な政治勢力というものはなくなりました。さまざまな合従連衡があり、小連立や大連立が生じています。民意もばらばらであり、『圧倒的な民意』を担う政党がなくなりました。国民の皆さんの投票が極めて重大な意味を持っている時期でもあります」と報告した。
社会的責任をもって主の御心に沿った祈りを
またこれからの日本社会とキリスト者の在り方について「『どのように生きていったら良いのかわからない』というのがこの国の問題で、政府も頭を抱えています。キリスト者はどうあるべきでしょうか。社会的な責任をもって主の御心に沿った祈りをしなければなりません。社会的な責任が明確でなくて祈るというのはある意味抽象的です」と伝えた。
原子力発電について土肥氏は「トイレのないマンション」のようであると指摘し、「原子力開発はまさに神の領域に踏み入った人間の業です。神の領域を犯してはなりません。全人類の最大の課題ではありますが踏み越えてしまいました。原発使用済み燃料の処理方法はこれから研究する段階です」と説明した。
土肥氏は国家が抱える様々な問題について「ある時は『非国民』と言われようと死をかけて守らないといけないものは守らなければなりません。国益ということに隠してしまうと問題解決にはなりません。国民が解決するしかありません。それぞれの分野にいる皆さんが、キリスト教においてどのように認識して対処していくか、ひとりひとりがそれぞれの存在にあってはっきりした明確な判断ができますように。国民の皆さんが頼りです」と述べた。
土肥氏の国政報告後、それぞれ小グループに分かれて、国会のさまざまな議題のため、野田総理、大臣、各党および議員のため、日本が神に喜ばれる国となるように祈りが捧げられた。