ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)のホームページでも「米国民への最後の呼び掛けとなるかもしれません」との主題の下「あと数日で今後数年間の大統領の座を就任して国民に奉仕する人物を決定する特権を我々米国民は有しております。我々の時代にあって最も重要な選択のひとつであると信じており、私の父と私はこの数カ月、聖書的価値観を包容し、国家レベルで、また地域レベルで指示できる候補者を支持するように奨励してきました」と伝えている。
父のビリー・グラハム氏同様に、フランクリン・グラハム氏は来たる11月6日の米大統領選を迎えるにあたって、米国民は今一度聖書的価値観の土台の上に立ち戻るべきであると警告している。グラハム氏は先月初旬に米ノースカロライナ州の自宅で米共和党大統領候補のロムニー氏と会談しており、ロムニー氏の妊娠中絶問題や伝統的な結婚を支持する立場に対して称賛の意を示したものの、公式的にはロムニー氏を支持していない。
BGEAは米国内左派および右派の双方から「大統領選においてどちらを支持するべきかはっきりとした見解を明示できていない」との批判を受けており、一方でBGEAの宣教活動において政治的分裂が生じるべきではないとの見解も見られている。
この問題についてBGEAは米CPに対し、「ビリー・グラハム先生は私どもの組織が超党派で活動し続けられるようにとても注意深くされておられますが、政治的問題については聖書的な世界観に基づいた見解を伝えているか、聖書的価値観に強く基づいた発言となっているかを注視されてこられました」と述べている。
フランクリン・グラハム氏は米大統領選挙を間近に控えた全米に対し「全米が直面する重大な時を迎えています。すべての事柄に先行して、我々の偉大な国家を代表して深いとりなしの祈りを行わなければならない時を迎えています。我々の罪を悔い改め、我々の祖父たちの神に立ち戻らない限り、米国に大きな危機が生じようとしています。聖書には『そこで、まず初めに、このことを勧めます。すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。それは、私たちが敬虔に、また、威厳をもって、平安で静かな一生を過ごすためです(Ⅰテモテ2・1~2)』と書かれてあります」と伝えている。
グラハム氏は米大統領選で具体的にどちらの候補者を支持するべきであるということは言及せずに、「米国の指導者たちが、積極的に不徳を提唱し、合法化しようとするとき、あるいは我々の国家建国の土台となっている信教の自由を制限しようとするとき、信仰ある男性女性の前に敵となるような政策を掲げようとするとき、我々は神のさばきの目前に置かれていることを知らなければなりません」と伝え、すべての人々に米国の罪を悔い改め、米国が神に守られる国家であるように祈るように呼び掛けている。
グラハム氏はキリストの再臨についても「極めてすぐに訪れるでしょう。御自身の民を救い、彼を知ろうとせず、崇めない人々に裁きを下すために。そして今こそキリスト教徒にとってそのために祈り、悔い改めるときであるともいえます」と警鐘を鳴らしている。