11日、クリスチャン衆議院議員柴橋正直氏を応援する東京百人会(会長・三谷康人氏)は第一回柴橋正直勉強会を都内ホテルで開催した。第一回勉強会講師として人材教育コンサルティング会社アチーブメント社長の青木仁志(あおき・さとし)氏が講師に招かれ朝食を交えた講演会が行われた。
東京百人会会長でカネボウ薬品元会長、伝道師の三谷康人氏は「柴橋先生と青木社長は共通するところがあり、同じ志を持ってやっておられると思っています。聖書の中の二つの重要な戒め『思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くしてあなたの神(天地創造の神)を愛せ』と『自分を愛するように隣人を愛せ』をビジネスの理念としていることが、この二人には全く一致していて、それがずっと広まっています。絶えず正しい方向を向いて、自分を超えて進もうとしています」と称賛した。
柴橋正直氏は、第一回勉強会に際して「青木社長のスタンダードコース『頂点への道』を3日間受講させていただきました。何気なく日頃感じていることを、具体的な言葉に落とし込むことは非常に難しいことですが、なるほどこういう表現をすれば、自分が伝えたかった事を多くの人たちに伝えられるということを学ばせていただきました」と述べた。
また内村鑑三の「二つのJ(JapanとJesus)」について、「自分の中にはJapanとJesusの二つのJが幼い頃からあって、それを見上げて今日まで歩んできました。父がプロテスタント教会の牧師をしています。バイブルを人生の価値観の土台として33年人生を過ごしてきました。日本人ということをもっと突き詰めると人って何だろうかというところに行きあたりますが、人は使命を果たすために生かされている存在ではないでしょうか。私の使命は、政治の世界の中で聖書の価値観を中心とした政治をこの国に実現していくことです」と伝えた。
富の分配から負担の分配に
民主党岐阜県第一区総支部代表である柴橋氏は、「地方にとっては、自分達の地域に高速道路を作ってくれる政治家は素晴らしいというような評価があります。しかし今は『富の分配』ができる時代から『負担の分配』をお願いしないといけない時代になりました。野田総理を支える立場にありますが、社会保障と税の一体改革を進める上で、どうやって少子高齢社会の中で社会保障を支えて行くのかという、『負担の分配』という政治に変わって来ているということを、真正面から捉えていかなければなりません。富の分配は自分の所に利益をくれということですが、皆で支え合うために『私はこの部分を支えます。そのことによってあなたの幸せ、喜びの力となります』というのが負担の分配の政治ではないでしょうか。『自分のためではなく、他人のために何ができるか』を考えられる日本の政治にしていきたいです」と述べた。
また人材育成の必要について柴橋氏は「少子高齢社会において、一人一人の人材能力開発が大変重要です。この日本全体で人材開発に対する投資を減税の対象にすることで、日本全国で能力開発をしていくことは、大変素晴らしいことではないかと思います。私達日本人一人一人が、能力開発して底上げしていくことが大事ではないでしょうか」と述べた。
目標経営から目的経営へ
続いて青木仁志氏が「人を幸せにする経営」と題して講演を行った。青木氏は「経営というものはまさにマネジメントであり、物事をより良い方向に管理する技術です。国も家庭も企業も、あらゆる組織は経営で成り立っています。目標経営から『何を目的に経営するのか』という目的経営に大きく変わる必要があります」と述べた。
青木氏は、経営者は目的に焦点を合わせるべきであり「利益は社員、お客様を幸せにし、社会に貢献した結果である」とし、昨今の日本を取り巻く国債残高や高齢社会の状況を背景に「お互い本当に目的を真剣に考える時代が来ていると思います」と述べた。
青木氏は高齢社会の年金保証を支える税収について、「中小企業経営者はもっと納税して国力を上げなければなりません。税収を上げるためにも企業の人材開発が大切になります。人を育てて会社を繁栄させ、まともな経営を世の中に広めていかなければなりません」と述べた。
青木氏の経営するアチーブメントでは、「人を幸せにする」ことを目的にしており、その中にはもちろん社員も含まれている。そのため新卒採用の際に採用された社員が後輩に自分の会社を口コミで勧めるようになっているという。
青木氏は「社員をコストとみるか資本とみるか。社員を踏み台にするような経営はまともではありません。社員を幸せにすることを目的に経営されなければなりません。強い立場の人が弱い立場の人をいじめる経営では、まともな取引先が全部去っていきます。支援者がいなくなり、クオリティが非常に低い取引先しか残らず、経営を圧迫するようになってしまいます。理念を中心に据えて利益を目指すことで、『理』と『利』の統合、『道』と『経済』を一つにして行くことが必要です」と述べ、目標に焦点をあてた経営をすると商品偽装問題が起こるなど誤った経営になってしまうが、理念を目的の中心にすることで長期的経営が可能になると説いた。
企業経営においては、「誰のために、何のために、なぜその会社を起こし経営しているのかという理念と目的を軸に据えて経営を行う」ことが大事であるという。その上で日本が再出発する際には理念が重視されるものの、危機意識を持っている経営者が余りにも少ないことに懸念を示した。