16日、エチオピア首都アディスアババで開かれた世界教会協議会(WCC)実行委員会において、東アフリカおよび南アジアの情勢を監視し、支援を行っていく方針が確認された。WCC実行委員会は2年ごとにWCCの方針やビジネス取引を確認するための会議を開催している。
深刻なききんに見舞われているソマリアおよび「アフリカの角」全体について協議を行い、同地域に関して「今後数年間深刻な人道危機に見舞われるだろう」と指摘され、同地域における干ばつ、ききんおよび武装勢力による紛争が第一の懸念事項として挙げられた。
WCCでは国際共同体、国連、アフリカ連合(AU)および世界各国政府、諸教会、支援団体に対し、「アフリカの角」の地域で平和を構築するための戦略に協力して取り組んでいくように、多くの行動の呼びかけを行っている。また諸教会、アクト・アライアンスおよびその他超教派のキリスト教支援団体に対し、同地域へ人道支援を行う他、さらなる諸教会の支援活動への参加、他宗教共同体との協力した活動も呼びかけている。
一方で南アジアの平和と治安問題についても「世界でもっとも脆弱な地域のひとつである」として第二の懸念事項に挙げられた。パキスタン、インドおよびスリランカにおける異文化間、異宗教間の摩擦による紛争が懸念されている。
WCCでは今後もイスラム教国家における「冒とく法」の濫用、インドにおける「不可触民」に対する差別や紛争、土着民族や宗教少数派に対する差別問題について監視し続けて行く方針を確認した。加盟諸教会および提携パートナーらとともに、WCCは今後も公正と和解、平和を提唱し続けていく方針であるという。
今回の実行委員会では、今年4月に南アジアの平和と治安におけるエキュメニカルフォーラムにおける「WCCおよびアジアキリスト教協議会(CCA)がより深く南アジアの平和と治安問題について関わっていき、世界的なキリスト教超教派としての提唱を行っていく」方針が再度確認された。
実行委員会ではさらに、地域諸教会および超教派団体らに対し、「平和と治安、和解と宗教的寛容、すべての人々に対する公正」のために南アジア全体に対する支援と奨励を行っていく方針が確認された。
WCC加盟諸教会に対し実行委員会は南アジアの諸教会および人々、ソマリアおよび「アフリカの角」地域全体についての祈りを呼びかけている。
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