追悼式にはストット博士の友人、親類の他、ストット博士の講演を聞いたことのある人や著書を読んだことのある人などが参列し、参列者で教会中が一杯になった。追悼式の始まる前から、参列者の列が教会から一区画向こうの道までできていた。
列に並んでいたあるクリスチャンは、ストット博士について「彼は非常に、非常に特別な人でした。だからこそ今私はここに並んで参列したいと思っています」と述べた。
追悼式は多くの人々に尊敬されかつ親しまれてきたストット博士の死を悲しむ姿も見られたが、それよりも讃美歌に包まれながら、同氏の神様に栄光を帰した生涯を賛美する感謝の思いが強く表現されていた。
ストット博士を個人的によく知る人たちが追悼式にストット博士の野鳥観察の趣味など個人的なことについてユーモア溢れる証しをし、参列者の心を楽しませていた。
ストット博士は出会う人全てに対し、自身に注目を向けようとするのではなく、イエス・キリストに注目を向けさせようと試みる人物であったことが近しい人々から改めて証しされた。
ストット博士が生前に追悼式での説教を依頼していたランガム・パートナーシップ国際ディレクターのクリス・ライト博士は、ストット博士の遺した業績に敬意を表し、「ストット博士は世界中のキリスト者が倣う模範を生涯において示されました。多くのキリスト教指導者たちが繁栄することばかりに重きを置いて説教を行い、自身を十字架の足元に置くことができないでいた中にあって、ストット博士は自身を十字架の足元に置くことで多くの指導者たちの信仰の一致を招く役割も果たされました」と述べた。
またストット博士が世界の不正に対して義憤を示し、女性を尊敬し、子供たちを愛し、富を拒絶し、神様の創造物の中に喜びを見出した生を送っていたことを証しし、「ジョン・ストット博士は信仰に従順するモデルを示された方でした。『霊の実』をここまで美しく実らせた生涯を送られた方は他にいらっしゃるでしょうか?あらゆる意味で、ストット博士は本当にキリストのようでした」と称賛した。
ライト博士はストット博士に倣って信仰の生を生きようとするクリスチャンたちに、ストット博士が最も求めたことである「教会の一致とキリストが愛されたようにクリスチャンが互いに愛し合う生」を追求するように求め、「ストット博士は十字架を中心に置き、キリストに栄光を返し、キリストの愛への従順を示す生を示されました。(キリストにある)愛に従順し、希望に従順する生を歩んでください」と呼びかけた。
ジョン・ストット博士は7月27日、90歳で死去した。20世紀の世界福音主義思想にもっとも大きな変化を与えた人物として称賛されている。
オール・ソウルズ・ランガム・プレイス教会牧師を1950年から1970年の間務め、クリスチャンの信仰と十字架の意味に関する51冊の著書を世に書き遺した。2005年にはTIME誌で世界で最も影響力のある人物トップ100に選ばれ、2007年には大英帝国勲章CBEを受賞した。