北朝鮮では政府による宗教弾圧にもかかわらず、政府非公認の教会、いわゆる地下教会が急速に増えていることがわかった。米国オクラホマ州に本拠を置く迫害監視団体「殉教者の声(Voice of Martyrs)」の報告によると、同団体のネトルトン広報室長が、米連邦政府運営のアジア向けラジオ番組「自由アジア放送」で明かした。
ネトルトン氏は、地下教会増加の原因として、自由と食糧を求めて中国に密入国し、潜伏先でキリスト教に出会い、信仰を北朝鮮に持ち帰った北朝鮮国民の活躍があると説明した。
『殉教者』は中国で脱北者を対象に食糧や衣服、潜伏場所を提供している。潜伏中に信仰を持つようになった人の中には、故郷に残された家族や友人にイエス・キリストを伝えるために北朝鮮に戻る人もいるという。
同団体によると、北朝鮮との国境付近には宣教団体らが運営するキリスト教指導者のための訓練施設が複数ある。北朝鮮内の地下教会や信徒数の大まかな数字も把握しており、「数は明かせないが着実に増えている」という。
「現在北朝鮮内で働いている人々の身近安全憂慮のため北朝鮮の地下教会数や地下教会の信徒数は明らかにすることができない」と言った。