中国政府非公認の「家の教会」(地下教会)を支援する中国援助協会(CAA、本部:米テキサス州)は、中国のキリスト教徒へ対する迫害状況についての最新の報告書(09年版)を発表し、報告されている迫害件数だけで前年08年に比べ19%増加したと発表した。しかし、報告されている迫害はごく一部に過ぎず、実際の迫害件数はさらに多いと見られる。
同協会の報告書「年次迫害報告09」によると、09年に家の教会へ対して発生した迫害事件で報告があったのは77件で、これにより約3千人が迫害を受けた。被害者数では前年比45%増となった。
当局に拘束された人は389人で、うち禁固刑に処せられたのは23人。114人が虐待を受けたと報告されている。
同協会によると、09年の迫害は特に都市部や大型教会へ対するものが目立ち、都市部からの報告は77件中56件が該当した。
地方よりも都市部が通信手段にアクセスしやすい環境にあるため、都市部からの迫害報告が多かったと見ることもできるが、同協会は「都市部の安定化が、国全体の安定化につながると考える中央政府の方針を良く反映したものとも推測できる」としている。
同協会は、中国における最近の迫害について、家の教会指導者や都市部の家の教会運動への弾圧、礼拝などの集会の取り締まり、拘束したキリスト教徒に対して長期の監禁刑、重度の罰金刑を科す、という特徴があると説明している。