ドイツの大手新聞社は27日、ベルリンを訪問中のイスラエルのネタニヤフ首相に、第2次世界大戦中にユダヤ人が大量虐殺されたナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所の設計図を贈った。共同通信が伝えた。
設計図は昨年、ベルリン市内のアパートで見つかり同社が購入。より多くの人が見られるようにと、今回の寄贈を決めた。設計図を受けたネタニヤフ首相は「虐殺はなかったと主張する人々にこの設計図を見せたい」と語った。
設計図はエルサレムのホロコースト(大虐殺)記念館に展示される予定。
同記念館には今年5月、ローマ教皇ベネディクト十六世が訪問し「(虐殺を引き起こした)憎しみが人々の心を支配し続けることがないよう、カトリック教会が全力を尽くすことを約束する。犠牲者の苦しみが忘れられることがないよう願う」と演説したが、同記念館理事長でユダヤ教指導者のラウ師らは「ナチス・ドイツが加害者だったことに言及しなかった」などとして演説内容への不満を表明した。
また、バチカンの機関紙は今月14日付の論文でホロコーストについて触れ、「教皇ピウス十二世を『ヒットラーの教皇』とするのは根本的な誤り」「ユダヤ人がバチカンの援助の下で修道院に匿われていた時、米国務省はホロコーストが行われていることが明らかになってからも行動を起こさなかった」となどとして、米国務省を強く批判した。