8月6日から15日までの間を平和旬間とする日本カトリック司教協議会では、会長のペトロ岡田武夫・東京教区大司教が、同期間を迎えてのメッセージを語った。
「日本カトリック平和旬間」は、1981年に前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が広島を訪れ平和に向けたアピールをしたことを受けて、翌82年から始まった。広島の原爆記念日である8月6日から、長崎の原爆記念日である9日を経て、終戦記念日の15日までの10日間、平和のために祈り、平和について学び、行動する期間としている。
岡田大司教はメッセージの中で、昨年以来の経済危機について触れ、経済危機を引き起こす要因から最も遠い存在であった移住労働者らが最も大きな打撃を受けていると指摘。現ローマ教皇ベネディクト16世が貧困との闘いが平和構築につながると語ったことに言及し、これまで同協議会では非暴力の対話による平和構築を訴えてきたが、「対話と並んで貧困撲滅は平和構築の要」だと語った。
また、4月にオバマ米大統領がチェコでの演説で核廃絶を訴えたことは、超軍事大国の指導者の発言として「画期的」だとし、「(米国の)自国所有の核兵器廃絶の努力に注目したい」と話した。
最後には、非暴力や核廃絶の推進によって、莫大な軍事資金を貧困撲滅や福祉、教育、暮らしの改善のために充て、「剣を鋤とし、槍を鎌とする」(イザヤ2:4)ならば、真の平和が実現するに違いないと訴えた。
平和旬間中は期間を通してリレー祈祷が行われ、各地で講演会や写真パネル展、平和を願うミサ、平和巡礼ウォークなどが行われる。