西アフリカのベナン共和国北部に、デンディ族がいる。ベナン自体はイスラム教国ではないが、デンディ族の場合はそうではない。何とダンダワとも呼ばれるデンディ族の99・93%がイスラム教徒なのだ。彼らの人口は約31万人で、そのうちキリスト教徒はごくわずかしかいなく、デンディ語の教会はまだないのである。
デンディのほとんどは、伝統的な儀式や宗教的慣習に正統派イスラムの要素を混ぜ合わせた、一種の民間信仰と混合したイスラム教を信仰している。宗教の教師または聖人であるマラブーは、イスラム教と古代の慣習を教え、呪術師であり、霊界との連絡係でもある。
ベナン北部の田舎にある草原地帯のほとんどは、デンディ族の故郷だ。この地域では、家族や村落の人間関係が彼らの生活の基盤となっており、キリストに従う道を求める求道者が、この人間関係から抜け出すことは不可能に近い。だからこそ、これらの構造的な人間関係の中で福音を広め、信者の交わりを確立する方法を見つけることが非常に重要なのである。
そんなデンディ族なのだが、昨年の夏、140人の伝道者たちが、何万人ものデンディ人が暮らすベナンのジューグー市を訪れた。その伝道者の多くは、デンディ族の近隣民族出身者で、彼らは3週間毎日、市内のさまざまな場所で集中的に伝道したのだ。
彼らは影響力のある人々を訪問し、平安の子を探し歩き、イエスについて語り、SDカードを2千枚以上も残していった。このSDカードの中には、聖書の音声ファイルが保存されている。新約聖書の音声と、その他一部の音声・動画リソースがデンディ語で入手可能だ。彼らが伝道するまで、ほとんどの人はその存在すら知らなかった。
これらのリソースや彼ら140人の伝道者たちがまいた種が、豊かに実を結ぶように祈ろう。福音を妨げるデンディ族の社会構造が、福音を促進する社会構造に変えられるように祈っていただきたい。
■ ベナンの宗教人口
プロテスタント 10・9%
カトリック 21・5%
イスラム 23・5%
土着の宗教 35・9%
儒教 0・9%
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