ハミットはアルバニアのイスラム教徒の家庭に生まれた。彼は断食と善行を行えば救われると信じていたが、それは両親への義務感から実践しただけに過ぎなかった。実は、心の中にはむなしさしか覚えていなかったのだ。「自分は何のために生まれて、何のために生きているのか」。彼は人生の根源的な問いに心悩ませたが、答えがなかった。
そんな17歳のある日、彼は空腹のまま学校に登校したため、休み時間にサンドイッチを買いに行った。すると、そのサンドイッチが奇妙な紙で包まれていることに気付いた。それを不思議に思いながら見ると、何とそのサンドイッチは聖書の1ページで包まれていたのだ。
サンドイッチを売っていた男のもとに行くと、彼は年老いた共産主義者であることが分かった。老人はハミットを家に招いてくれたので、2人はコーヒーを飲みながら雑談した。するとその老人は、大のキリスト教嫌いで、反聖書的な人物であることが分かった。彼はキリスト教信仰に対して否定的な発言を繰り返していた。
ハミットが老人の家でトイレを借りると、なんとトイレットペーパーの代わりに、聖書のページがそこに置いてあった。それにショックを受けたハミットは、老人に気付かれないように、そっと服の下にその聖書の切れ端を隠した。
その後、家でその聖書の切れ端を読み始めたハミットは、神が自分のことを愛してくださっていることを知った。ヨハネ福音書3章16節は彼のお気に入りの聖句になった。彼はこの愛を信じ、自分の心に刻もうと決意したのだ。
そして自分と同じ決意をしている他の人々を探し始めた。それでハミットは教会を見つけたのだ。牧師はハミットに祈りを導いてくれた。祈り終えるとハミットは、彼の内面に起きた変化を笑顔でこのように説明した。「祈り終わると、すぐに心の重たい石が動いたように感じ、喜びがあふれたのです!」
主イエスは言われた。「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます」(マタイ7章7、8節)
ハミットが不思議な方法で神の言葉にアクセスできたように、渇く心をもって真理を求める者は、必ず答えを得るのだ。多くのアルバニアのイスラム教徒が、聖書が提示する福音を聞き、主イエスを信じるように祈っていただきたい。
■ アルバニアの宗教人口
イスラム 62・4%
プロテスタント 0・7%
カトリック 13・1%
無神論者 7・0%
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