敬虔なイスラム教徒の家庭で育ったモロッコ人のラシッドは、イエスを救い主として受け入れた後、極度の迫害に直面した。彼は改宗したことによって、家族から拒絶され、ホームレスになり、イスラム教を棄てることが違法とされている国で、継続的な危険にさらされることになった。
小さな村で育ったラシッドは、イマームである父親からその跡を継ぐよう教育された。しかし、カサブランカで勉強していたとき、彼はキリスト教のラジオ放送に出会い、その放送を通して自分の信念に疑問を投げかけられたのだ。福音を放送するその局と何年もやりとりした後、彼は聖書を受け取り、地下教会に通い始めた。そして16歳のとき、ラシッドはキリストに人生をささげたのである。
彼の新しい信仰は、家族の疑念を招くことになり、イスラム教の信仰告白であるシャハーダを暗唱するよう要求された。しかし彼はそれを拒否したので、家族は強く彼の信仰に対立するに至った。ラシッドの家族は怒ってののしり、ラシッドを追放した。その結果、彼はホームレスになったのだ。2年間、彼は地下教会を頼り、時には路上で寝ることで生き延びた。
ラシッドの話が公になると、彼はモロッコの新聞で背教者のレッテルを貼られ、脅迫に直面した。宗教警察が彼を監視し、彼は最終的にキプロスに逃げ、そこで他の元イスラム教徒とつながった。その後、彼はモロッコに戻り、自宅で密かに布教活動を行ったが、迫害は激化し、彼と家族は欧州に移住せざるを得なくなった。
当初は自分の伝道を放棄しなければならないことにいら立ちを感じていたが、ラシッドはイスラム教徒の聴衆に福音を放送することに新たな目的を見いだした。テレビやインターネットを使ってイスラム教を批判し、イエスのメッセージを伝えることで、アラビア語伝道における著名な声となったのだ。困難にもかかわらず、ラシッドの伝道活動はイスラム圏の無数の人々に影響を与え続けているのである。
ラシッドのように、迫害に負けず、自分の主張をインターネット放送を通じて訴える兄弟がいることは、実に頼もしい励ましだ。ラマダン中のモロッコおよび、迫害にあるラシッドや同胞の改宗信者たちのために祈っていただきたい。
■ モロッコの宗教人口
イスラム 99・9%
プロテスタント 0・02%
カトリック 0・07%
ユダヤ教 0・02%
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