2023年2月、2度の強い地震が聖書に所縁のある都市、トルコのアンティオキアを破壊した。その結果、地域の住民およそ900万人以上が被災したのだった。しかし神は、ある教会の指導者たちに、被災地にとどまり、他の生存者たちに奉仕するよう促した。彼らは食料、衣類、テント、仮設住宅を提供しながら、毎週日曜日に礼拝を続け、参加者は100人を超えたのだ。
ある時、神は教会リーダーの妻に働きかけ、2人のイスラム教徒の女性に「新約聖書を書き写してみませんか」と提案するように促した。彼女たちはそれを受け入れ、必要な物も与えられた。その後2人が3人、4人、5人と増え、今ではなんと600人近くのイスラム教徒が新約聖書の教えを一言一句書き写しているのだ!
ある若者は書き写し終えた後、家族が準備している犠牲(イスラム教徒の儀式的な動物のいけにえ=その肉は共同体で分配される)について、食べてもよいのか、どうすべきか質問してきた。彼は、誰にも伝道も説得もされず、ただ書き写した聖書の言葉を通してキリスト信者になったと告白したのだ。
またある者は新約聖書をより深く理解したいと願い、一度書き写し終えた後、再び最初から書き写し始めた。別の者は「孫たちのために書き写しセットをもらって本当に良かったです。家族みんなで書き写すのを楽しんでいます!」と語った。さらにある夫婦は、新約聖書全体を書き写し終えた後、旧約聖書も含めた聖書全体を書き写し始めた。この夫婦はその後、信仰を持つに至ったのだ。
そしてある若い女性は、新約聖書を書き写し終わった後、「書き写してみて何を理解しましたか」と尋ねられたとき、こう答えた。「以前の私は、自分を好いてくれる人しか好きになれませんでした。私に興味を持たない人には何の関心もなかったのです。でも今は、そんな人たちを愛そうと努力しています! 昔の私は、他の人が持っているものをうらやましがってばかりでした。でも今は、嫉妬しないように努力しています!」
なんということだろう。彼らは単純に聖書の言葉を書き写しているだけで、御言葉に触れ、深く味わい、考え、その結果、信仰を持つ者さえ起こされているのだ。まさに「神の霊が神の言葉を取り、神の子どもたちを作り出す」のである。
聖書を書き写しているトルコの人々の心と思いが、ますます神に開かれるように祈ろう。また新しく信仰を持った人々が、揺るがぬ信仰に成長するように、教会がより多くの人々をキリストへと導く光となるように祈っていただきたい。
■ トルコの宗教人口
イスラム 96・6%
プロテスタント 0・03%
カトリック 0・06%
正教 0・03%
ユダヤ教 0・02%
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