米キリスト教世論調査機関「バーナグループ」によると、米国では宗教組織への所属や教会への出席は減少傾向にあるものの、10代の半数以上がイエス・キリストについて強く知りたいと思っており、4人に3人以上がイエスについて少なくとも知りたいと思っていることが分かった。
研究者らは、バーナグループの「Z世代調査(第3巻)」(英語)でこの調査結果を引用し、10代の若者が霊的な事柄に対して心を開き、好奇心を示していることから、若者を教会に導く好機だとしている。
「この世代は、自分たちよりも強力な何かが存在していると信じる傾向があります。それでもなお、多くの人々は宗教を受け入れたり、教会に行ったりすることに躊躇(ちゅうちょ)しています。10代の若者たちがイエスについて学ぶことに前向きであることは、有意義な関わりを持つための重要な機会であることを教会指導者は認識すべきです」
調査結果(英語)によると、イエスについて知ることに対し、13歳から17歳までの10代の若者の52%が「非常に意欲的」で、25%は「ある程度意欲的」だと回答した。合わせると、77%がイエスについて少なくとも知りたいとする意欲を持っていることになる。一方、「あまり意欲的ではない」と答えたのは6%、「全く意欲的ではない」と答えたのは10%で、7%は分からないと答えた。
「10代はイエスに関心を示す一方で、信仰へのアプローチは以前の世代とは異なるかもしれません。また、真実性と関連性が鍵となります。難しい質問にも誠実に対応し、イエスと聖書が私たちの住む今の世界とどのように関連しているかを示す用意をしておいてください」
バーナグループが2022年10月に米国人成人2千人を対象に実施した別の調査結果(英語)では、回答者の77%が「ハイアーパワー(高次元の力)」を信じていると答え、74%が霊的に成長したいと答えた。
これは、米シンクタンク「ピュー研究所」が2018年に発表した調査結果(英語)とも類似している。同研究所の調査では、米国人成人の80%が神を信じると回答する一方、聖書に記述されている神を信じるという人は56%にとどまった。
バーナグループのデイビッド・キナマン最高責任者(CEO)は当時、この調査結果について、キリスト教指導者にとって希望の持てるニュースだと述べていた。
「宗教的所属や教会出席は減少し続けているが、霊的な開放性や好奇心は増加傾向にあります。どの世代においても、霊的に成長したいという願望、霊的・超自然的な次元への信仰、神や崇高な力への信仰はかつてないほど高まっています」
また、霊的な開放性の高まりについて、キナマン氏は次のように述べていた。
「今日のクリスチャンの10代の大部分が、イエスは今でも大切だと答えています。一般的にクリスチャンの評判を下げ、日曜礼拝や他の教会関連の活動を社会の片隅に追いやるような文化の中で、10代の若者たちが、人生に影響を与える存在としてのイエスに対して心を開いていることは斬新です」
一方、若者はキリスト教に対してオープンであるのと同時に、他宗教に対してもオープンであることをキナマン氏は強調していた。
「彼らは、キリスト教をはじめとするさまざまな宗教に対して開放的で、友人や主義、思想に対してもオープンです。若者を指導する親や教育者、その他の人々は、新成人に賢明な指導を与えるという大仕事を抱えています。しかし、今の10代の若者たちは、私たちがこれまで経験したことのないようなことを教会に突き付けています。つまり、一種の白紙状態、異なる未来を想像するチャンスをです」