拷問を受けたヤセクは、ISの戦闘員と獄中生活を共にし、ひどい暴力にさらされた。ところが、次に彼は、さらに過酷な刑務所に移送されたのだった。(第1回から読む)
「私は4・6×5・5メートルの小さな房に押し込まれました。そんな小さな場所に、時には40人も押し込まれました。そのような状況下で、なんと私は、40人のエリトリア難民をキリストに導くことができたのです。それは私にとって新たな啓示のような体験でした。私は勇気を持って囚人たちに公然と福音を伝えるようになりました。しかしその結果、再び独房に入れられてしまったのです」
「独房に入れられた直後、チェコ領事館の職員が聖書を持ってきてくれたのです。独房では何もすることがなかったので、私は一日中聖書を読むことができました。光が十分にあるときだけ、つまり午前8時から午後4時半までの間だけ、私は聖書を読むことができました。光を十分に取るために、私は鉄格子の側に立たなければならなかったのですが、そんなことは何の苦痛でもありませんでした。私は聖書に飢え渇いていたのです。創世記から黙示録までを3週間で読み切りました。その時、聖書に対する新たな理解が開かれました」
最終的に彼は独房から移され、約1万人を収容できる大きな刑務所に移された。「独房から出て、100人が一つの部屋にいるような場所に移されました。そこでは75人分のベッドしかなかったので、25人は床で寝なければなりませんでした」
驚いたことに、新しい刑務所の看守は、2人のスーダン人牧師に礼拝を行うことを許可したのだ。この牧師たちも囚人の一人として収監されていたのである。「牧師たちは私に説教を頼みました。私は週に1回、時には週に2回説教をしました。もちろん、看守らは私たちの説教を監視していたし、報告もしていました。しかし私は、スーダン人の2人の牧師を通して、もうこれ以上ひどいことは起こらないと知っていました」
刑務所での説教を通じて、ヤセクと他の牧師たちは希望を失った人々に福音を伝えることができた。「そこに収監されていたのは、本物の犯罪者たちでした。殺人者もいれば、強姦犯もいるし、泥棒、麻薬の売人などもいました。しかしそれは素晴らしい時間でした。彼らは私たちの福音の教えに応答したのです。キリストに人生をささげた人々の変化を見るのは本当に素晴らしいことでした」(続く)
■ チェコの宗教人口
カトリック 20・1%
プロテスタント 2・8%
イスラム 0・1%
無神論 71・4%
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