関西学院大学(森康俊学長、兵庫県西宮市)は7日、2025年度から大学院の博士課程後期課程を実質無償化する奨学金制度の創設を発表した。
創設するのは「大学院研究者育成奨励金」。入学金と年間学費相当額(授業料、実験実習費、教育充実費など)を支給する制度で、これにより博士課程後期課程が実質無償化される。
採用初年度は原則として申請者全員が対象となる。支給期間は原則1年だが、継続支給要件(採用前年度の日本学術振興会特別研究員DCへの申請など)を満たせば、通算3年を上限に継続して支給される。
また、博士課程前期課程、専門職学位課程を対象にした「ベーツ支給奨学金」も25年度から創設する。返還・申し込み不要の研究科推薦による奨学金で、大学院入学前に採用が決まるのが特徴。支給額は、学費相当額の全額、3分の2、3分の1のいずれか。採用された場合は、原則2年間継続採用となる。
大学院研究者育成奨励金、ベーツ支給奨学金ともに、外国人留学生は独自の奨学金制度があるため対象外となる。また、ベーツ支給奨学金については、同じく独自の奨学金制度があるため、神学研究科キリスト教伝道者コースの一部、司法研究科は対象外となる。
この他、関西学院大学は22年度から、一定の条件を満たした同大の研究科出身の博士人材を特別任用助教として採用する「若手研究者スタートアップ制度」を始めている。今年4月時点で5人の採用実績があり、「本学は高い専門性を身に付けた高度職業人としてのキャリア形成をめざす大学院生や研究者を、充実のサポート体制で継続的に支援してまいります」としている。