クリスチャン詩画作家の星野富弘(ほしの・とみひろ)さんが28日午後6時32分、呼吸不全のため死去した。78歳だった。星野さんの作品を展示している富弘美術館(群馬県みどり市)が30日、ホームページで発表した。
葬儀は親近者のみで執り行う。なお、葬儀の模様は、日本福音キリスト教会連合(JECA)前橋キリスト教会のユーチューブで、5月3日午前10時半からライブ配信される予定。また後日、関係者でお別れ会を開催するという。
星野さんは1946年、群馬県東村(現みどり市)生まれ。群馬大学教育学部卒業後、中学校の体育教諭となる。70年、器械体操のクラブ活動指導中に頸髄(けいずい)を損傷。首から下の運動機能を失ってしまう。9年にわたる入院生活中に、口にくわえた筆で詩や絵を描くことを始め、74年には前橋キリスト教会の故舟喜拓生牧師から洗礼を受ける。
退院後も故郷に戻って創作活動を続け、新聞や雑誌に詩画や随筆を連載。国内外で個展「花の詩画展」を開き、「花の詩画集」シリーズをはじめ多くの詩画集を出版した。2006年には群馬県の名誉県民に選ばれている。故郷のみどり市にある富弘美術館のほかに、熊本県芦北町には姉妹館として星野富弘美術館がある。
富弘美術館は、5月1日から弔問のための記帳所を館内に設置する。受付時間は開館時間中(午前9時~午後5時)で、記帳のみの場合は入館料不要。供花は辞退するとしている。
富弘美術館はスタッフ一同によるコメントも掲載。「当館は2021年で来館者数が700万人を超えました。口に筆をくわえて詩画を描き始めてから現在まで、どれほどの人が富弘さんに生きる力を頂いたのかが、この数字からも分かります。何より、美術館で働くスタッフ一人一人が、富弘さんの優しい人柄や作品に助けられてきました。これからも富弘さんの作品に出会える場所として、美術館は皆様をお待ちしております」としている。