スペイン北部サラゴサのカトリック修道院で、ミサ中にろうそくの火が祭服に燃え移った神父が大やけどを負い、その後死亡する事故が発生した。
死亡したのは、ハビエル・サンチェス神父(60)。事故は、サラゴサのサンタイサベル地区にあるフランシスコ会の「無原罪の御宿り女子修道院」で、3月30日夜から行われていた復活徹夜祭のミサ中に発生した。サラゴサ大司教区の発表(スペイン語)によると、サンチェス神父は4月4日未明に死亡した。
サンチェス神父は、同修道院のチャプレンのほか、聖グレゴリオ教会の担当司祭、「謙譲兄弟会」の顧問を務めていた。
地元のエラルド・デ・アラゴン紙(スペイン語)がサラゴサ大司教区の関係者の話を基に伝えたところによると、事故は「光の祭儀」と呼ばれる復活徹夜祭の最初の典礼中に起きた。サンチェス神父がろうそくに火をともしたとき、火が祭服に燃え移ったとみられている。サンチェス神父は火が燃え移った際、「修道院の修道女たちを守ろうとした」という。
サンチェス神父は体の50パーセント近くにやけどを負い、搬送先の病院で息を引き取った。
葬儀は5日に行われ、サラゴサ大司教区のカルロス・エスクリバーノ大司教が司式をした。またその後には、サンタイサベル地区の小教区でお別れの会が行われた。
サンチェス神父を知る人々は相次いで哀悼の意を表した。
謙譲兄弟会のサラゴサ支部は、「深い哀悼の意を表し、神父のご家族を支えます」とし、フェイスブック(スペイン語)に次のように投稿した。
「神の謙遜とマリアの優しさが天国であなたを守りますように。安らかにお眠りください。ハビ神父、私たちは決してあなたを忘れません。栄光の中で私たちを見守っていてください」
サンチェス神父は、音楽好きの「ロッカー」でもあったという。
エラルド・デ・アラゴン紙は2015年、サンチェス神父が少なくとも3枚のアルバムをリリースしており、3枚目のアルバムには23曲以上の楽曲が収録されていることを報じていた。サンチェス神父はその際、次のように語っていた。
「私は他のこと(神父としての務め)に集中したいから(音楽活動から)引退すると言ったのに、みんなは冗談だと思ったのか、そうさせてくれませんでした。彼らは私に、歌え、コラボしろと言い続けています」