スペイン宗教多元主義共存監視団による最新データがこのほど、公表された。それによると、同国内にある礼拝所の約4分の3はカトリックのもので、同国では依然としてカトリックが支配的であることが分かった。一方、次に多いのはプロテスタントの福音派で、この20年余り増加し続けていることが明らかになった。
欧州の福音派メディア「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)が同監視団の最新データを伝えたところによると、スペイン国内にある礼拝所は全部で3万703カ所だった。このうち、カトリックに関係するものは2万2947カ所で最多だった。次は福音派で4359カ所、その後に1749カ所でイスラム教が続いた。
さらに、エホバの証人(633カ所)、正教会(234カ所)、仏教(182カ所)、セブンスデー・アドベンチスト教会(155カ所)、モルモン教(114カ所)、聖公会(68カ所)、バハイ教(59カ所)、ユダヤ教(40カ所)などが続いた。
福音派の礼拝所は、2011年は2944カ所で、この22年間に1315カ所も増加した。
福音派の増加は、主に中南米からの移住者によってもたらされており、福音派の礼拝所は都市部に集中している。福音派の礼拝所が100カ所以上ある地方自治体は、マドリード(420カ所)、バルセロナ(220カ所)、バレンシア(112カ所)のみで、9割以上の地方自治体には福音派の礼拝所がない。
一方、人口に占める宗教的少数派の割合は、この20年余りで2倍以上に増加したものの(01年=1・1%、21年=2・6%)、スペイン全体では宗教離れが進んでいる。この20年余りで最も増えたのは無神論・不可知論で、21年には13%に達した。また、無宗教も21年には21・2%となり、5人に1人の割合にまでなっている。
カトリックは依然としてスペインの主流派の宗教となっているが、00年は84・7%だったのが、21年には20ポイント以上減り、61・4%になっている。
スペイン宗教多元主義共存監視団は、スペイン法務省、スペイン地方自治体連盟(FEMP)、多元主義共存財団(FPC)が協力する形で、2011年に設立された。全ての個人に宗教を自由に実践する権利を保証するスペインの憲法と法的枠組みの公正な適用を確保することを目的に、同国の宗教的多様性に関する情報をオンラインで提供している。