世界福音同盟(WEA)は1日、トーマス・シルマッハー総主事兼最高責任者(CEO)が辞任したと発表した。辞任は3月31日付。WEAの国際理事会(IC)が全会一致で承認した。これを受け、ICのグッドウィル・シャナ議長が暫定的に執行委員長に就任し、シルマッハー氏の代行業務に当たる。
WEAの発表(英語)によると、辞任は健康上の理由による。WEAは、シルマッハー氏がこの数カ月間、新型コロナウイルス感染症の影響による健康上の懸念に苦しんでいたとし、「総主事としての重責を考慮すると、これは特に憂慮すべきことだった。われわれは彼の完全かつ迅速な回復を祈り、彼の重要な世界的奉仕を継続できるよう神の癒やしの御手が与えられるよう祈る」としている。
当時、WEAの神学問題担当総主事補佐の立場にあったシルマッハー氏は、21年3月に総主事兼CEOに就任。任期は26年2月までの5年だったが、約2年を残して辞任する形になった。
シャナ氏は6カ月間を超えない期間、暫定的に執行委員長として、副総主事2人と共にWEAの実務的な運営に当たる。この間、3人によるチームが必要に応じて定期的にICの執行委員会に報告を行うことで、「WEAが携わる業務全般と対外関係の安定性、継続性、前進が確保される」としている。
また、この暫定期間中に、ICの人事委員会は総主事業務の全般的な見直しを行い、次期総主事兼CEOの選考プロセスにつなげるとしている。
WEAは、信者が世界で6億人を超えるとされる福音派を代表する世界機関。国レベルの143の福音同盟や、アジアや欧州など複数国にまたがる9つの地域レベルの福音同盟、また、さまざまな福音派の団体が加盟している。