世界福音同盟(WEA)はこのほど、新たな副総主事(ミニストリー担当)に台湾出身のサミュエル・チェン氏を任命したと発表した。チェン氏は、WEAが21年に新設した「グローバル伝道ネットワーク」(GEN)の事務局長を務めており、副総主事就任後も兼務する。
WEAの総主事室は現在、総主事1人、副総主事2人の体制。総主事のトーマス・シルマッハー氏はドイツ出身で、もう1人の副総主事(オペレーション担当)はシンガポール出身のペイロン・リン氏。チェン氏が就任することで、副総主事2人が共にアジア出身者となる。
台湾で生まれ、カナダで教育を受けたチェン氏は、世界4大会計事務所の1つであるアーンスト・アンド・ヤング社に勤務。その後、米ダラス神学校を卒業し、現在は同校の理事を務めている。これまで25年にわたり香港を拠点として世界約90カ国を訪問。その内40カ国近くでコーチングやコンサルティングを行ってきた。人工授精から人工知能(AI)まで、さまざまな分野の企業16社の設立に携わった経験があり、米聖書翻訳団体「シード・カンパニー」の最高責任者(CEO)も務めた。
シルマッハー氏は発表(英語)の中で、チェン氏について「ネットワークづくりの賜物があり、あらゆる文化、言語、特に口述文化に対する深い愛を持っています。聖書翻訳事業の立ち上げや、ローザンヌ運動の口述ネットワークの促進に、彼の人生のかなりの時間を割いてきました」と紹介。「台湾で生まれ、香港で長く働き、カナダで教育を受け、米国で働いた経験は、われわれWEAの働きにおいては非常に典型的である多民族チームに、とても溶け込みやすくしてくれることでしょう」と語った。
WEAは、世界に20億人いるとされるキリスト教徒のうち、6億人余りを占める福音派(プロテスタント)を代表する機関。世界の福音派に一致をもたらすことを目的に、1864年に創設され、現在9つの地域と143カ国にある福音同盟、および100以上の加盟団体と協力して活動を行っている。