毎週の平均礼拝出席者数が4万5千人と、全米最大とされるメガチャーチ「レイクウッド教会」(テキサス州ヒューストン)で11日、女が発砲し、2人が負傷する事件が発生した。女は長年、精神疾患を患っていたとされ、教会に居合わせた非番の警官2人によって射殺された。負傷した1人は、女の子どもで頭を撃たれ重体となっている。
発砲した女は、ジェネス・イボンヌ・モレノ容疑者(36)。11日午後2時ごろ、息子のサムエル君(7)を連れて、スペイン語の礼拝が始まる直前に教会に入った。トレンチコートに身を包み、自動小銃「AR-15」を含む銃2丁を所持していた。
発砲後、教会の警備員をしていた非番の警官2人と銃撃戦になり、その場で射殺された。警官2人は事件の捜査が行われている間、休職処分となった。
サムエル君の他に負傷したのは、57歳の男性で足を撃たれた。男性は既に退院しているが、頭を撃たれたサムエル君は脳の一部を切除する大きな手術を受け、依然として重篤な状態が続いているという。
一方、誰が撃った銃弾によってサムエル君と男性が負傷したかは捜査中だという。ヒューストン警察のトロイ・フィナー署長は次のように述べた。
「警官たちを称賛したいと思います。女は銃身の長い銃を持っており、もっと悲惨な結果になっていてもおかしくありませんでした。しかし、警官たちは立ち上がり、自分の仕事をやり遂げました。私は彼らに感謝したいと思います」
レイクウッド教会のジョエル・オスティーン主任牧師は声明(英語)で、この事件に「打ちのめされている」と述べ、祈りの支援を求めた。
「この困難な時に、神の癒やしの御手が関係者全員の人生に触れ、慰めとなりますように。このような暗闇を前にしても、私たちは信仰を持ち続け、悪が勝つことはないことを覚えていなければなりません。神は最も暗い時を乗り越えて、私たちを導いてくださるでしょう」
「私たちは共にこの悲劇を乗り越え、互いに愛し合い、支え合うという決意を固めるでしょう。このような時、私たちの信仰は試され、また同時に強められるのです」
「なぜこのようなことが起こるのか、常に理解できるわけではありません。しかし私たちは、神が支配しておられることを知っています。癒やしと平和を、共に祈り続けてください」
テキサス州のグレッグ・アボット知事も事件を受け声明(英語)を発表し、次のように述べた。
「私たちの心は、今日の悲劇的な銃撃事件の影響を受けた人々、そしてヒューストンのレイクウッド教会の共同体全体と共にあります。礼拝所は神聖な場所なのです」
モレノ容疑者は2022年に離婚し、その後、元夫やその家族とサムエル君の親権を巡って訴訟をしていた。元夫の母親は、サムエル君の後見人となることを申し立てていたが、裁判所は申し立てを退けていた。モレノ容疑者には約20年前から複数の犯罪歴があったが、所持していたAR-15は昨年12月に合法的に購入したものだった。