国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)が、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている中、気候変動問題に関わる世界会議では初となる「信仰パビリオン」(英語)が現地に開設された。COP28には世界中から各国の代表らが集まっており、宗教指導者らは、気候変動問題に対し緊急の行動を取るよう呼びかけている。
UAEではCOP28に先立ち、11月6、7の両日にプレイベントとして「世界信仰指導者サミット」が開かれた。サミットでは、エネルギー転換の加速や自然と調和した生活様式への移行、クリーンエネルギーの迅速な採用など、気候変動問題に対応するための力強い行動を求める声明(英語)を発表。声明には、さまざまな宗教の代表者28人が署名した。
声明の署名者一覧(英語)によると、28人のうち、キリスト教界からは、カトリック教会のバチカン(ローマ教皇庁)国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿、東方正教会のコンスタンティノープル全地総主教バルソロメオス1世、世界教会協議会(WCC)のジェリー・ピレー総幹事、世界福音同盟(WEA)のトーマス・シルマッハー総主事ら8人が署名した。
COP28は、11月30日から12月12日までの日程で開催されており、「信仰パビリオン」は12月1日からプログラムが始まった。3日に開かれた開所記念式典では、健康上の理由で欠席した教皇フランシスコのあいさつ文をパロリン枢機卿が代読した。サミットで発表された声明には、信仰パビリオンを訪れた宗教指導者らがさらに署名を加えており、カトリック系のCNA通信(英語)によると、教皇も3日に署名した。
宗教指導者らは4日には、声明を受けた呼びかけ文(英語)を発表し、次のように述べた。
「私たちの共通の価値観は、人為的な気候変動危機と闘い、地球上の全ての生命の神聖さと幸福を育むための努力において、私たちを鼓舞し、団結させます。私たちの世界と互いへの愛、そして私たちの相互関係への認識は、(気候変動問題に関する)私たちの理解と緊急的行動への熱意を支えています」
教皇は、信仰パビリオンの開所記念式典に自らが話すビデオメッセージも寄せ、次のように述べた。
「今日、世界は、誰かに敵対するのではなく、全ての人のためになる同盟を必要としています」
「変化は可能であると示すために、またリスペクトに満ちた持続可能な生活スタイルを証しするために、宗教の代表者として、共通の家が守られるよう、各国の責任者たちに声を大にして求めましょう」