マグニチュード7・8の地震の発生から、すでに3週間以上が経過する。トルコとシリアを合わせて死者は5万人を上回った。
2月28日にもマグニチュード5・6の余震がトルコのマラティヤ県を襲い、2人の命が失われ、140人が負傷した。本震によって崩れやすくなった建物は、余震による倒壊リスクが非常に大きくなっている。彼らは今も警戒を怠ることができない。
トルコのキリスト信者たちは今、被災者救援の最前線にいる。8400万人の人口を持つトルコでの福音派信者の数はわずか1万人程度と少数派で、彼らキリスト者はトルコ社会で差別されたり、軽蔑されたりすることも少なくない。
多数派は、彼らキリスト信者を国家の敵として扱ってきた。ところが、この地震が状況を一変させているというのだ。そう伝えるのは宣教団体FMIだ。
被災した人々への援助やケアに当たるキリスト教徒が、どんな隣人に対しても優れたケアを示しているため、大多数の国民はキリスト者たちへの見方を変え始めているそうだ。
東部のディヤルバクルやマラティアの最前線でボランティア活動をするために、教会員たちは、5日間や10日間などのタームで交代し、被災地で滞りなく救援活動をしている。
FMIの関係者は「靴、衣類、毛布、食料、粉ミルク、衛生用品など40トンもの物資を集めることができました。今日も、小さな教会からさらに2人が前線でのボランティア活動をするために出発したところです」と語る。
彼らの働きは、福音のことばと交わりを通して、永遠の影響を及ぼしているのだ。
FMIが支援しているある牧師は、ある60歳の無神論者の女性について話した。彼女は「自分は何も不足はないし、何でも自分で対処してきた。私の人生に神は必要ない」と思っていた。しかし、彼女は震災の危機に直面して、自分には切実な必要があることに気が付いた。そしてその必要は、キリストの福音にのみ見いだされる希望に対して、彼女の心を開かせたのだ。それで彼女は今、その牧師の教会に通い始め、つい最近イエス・キリストに対する信仰を告白したというのである。ハレルヤ!
こんなに悲惨な状況の中でも、慰めの神はいつでも喜びと慰めの種をまいてくださる。
悲しみの中にいるトルコの人々が、だからこそ、この苦しみを通して主イエスにある慰めと希望を見いだすことができるように祈ろう。現場で援助や奉仕に携わっている宣教団体と兄姉たちのためにも祈ろう。
彼らが主の手となり足となり、キリストの愛を指し示し、人々を主イエスのもとに連れてくることができるように祈っていただきたい。
■ トルコの宗教人口
イスラム 96・6%
プロテスタント 0・03%
カトリック 0・06%
正教 0・03%
ユダヤ教 0・02%