ケニアの地方では、パンデミックの影響や世界的なインフレ、アフリカ東部を襲う干ばつなどによって、学校教育が大きな打撃を受けている。
南部のカジアド郡では、小中学校の生徒の少なくとも6千人が登校できない状況だ。多くの親は学校関連の費用を支払うことができないのだ。
宣教団体ケニア・ホープ(KH)の関係者は言う。
「一般のケニア人は銀行口座を持っていないため、ヤギを市場へ持っていき、それを売って学費を支払うのです。近年、数え切れないほどの家族が全てを失いました。ケニアはここ4年連続でまともな雨季が来ていません。そのため壊滅的な打撃を受けています。家畜たちは、牧草地がないため、多くが死んでしまいました」
「同時に、ひどいインフレが起きています。物価は高騰し続けるのに、給料は上がりません。食料の値段はこの1年で2倍にもなりました」
KHのプログラムによって、子どもたちは学用品のリストから一つ、つまり学校の制服の費用を節約できる。「ケニアの全ての学校には制服があります。ケニアでは、子どもたちの全員が制服を着なければなりません。お店に行って『これの5号サイズが欲しいんです』と言うようなものではありません。仕立屋に全て仕立ててもらうんです」とKHの関係者は述べる。
KHの未亡人支援プログラムでは、未亡人たちがKHからトレーニングを受け、子どもたちのために全ての制服を作るスポンサーとなる。さらにこれらの未亡人たちは、地元のKHのパートナー教会を通じて、聖書の神に出会うのだ。
「これは、未亡人にとって本当に大きな力となっています。彼女たちの裁縫の腕前と完成度の高さは、まさに圧巻です。うわさを聞きつけた他の人たちも彼女たちの所に来て『私の子どもの制服を縫ってくれませんか』と頼むようになりました」と前述の関係者は述べる。
スポンサーシップで人生が変わる未亡人らは、プログラムに加わるとすぐに、食料援助、家畜(ヤギ)、技能訓練、聖書指導などの24カ月コースに入る。現在180人以上の未亡人がこのプログラムに参加、あるいは卒業した。卒業した女性たちは、KHが教えた技術によって、今では家族を養っているほどだというのだ。
KHの関係者は「彼女たちが力を得て、尊厳を持って前進している姿を見るのは、とてもエキサイティングなことです」と喜びの言葉で締めくくった。
アフリカ東部が数年来の干ばつによって家畜を失い、不作が続いている。悪いことにそれに加えて、ロシアとウクライナの戦争により、穀物や燃料の世界的高騰のあおりを受けている。
このような厳しい時期に、KHのようなキリストの愛を運ぶ宣教団体によって助け合いが実現しているのは、大きな慰めだ。彼らと教会の働きが、なおいっそう加速して、目に見える形で神の愛が隅々に届くように祈ろう。それによって主の御名があがめられ、人々が救われるように祈ろう。
■ ケニアの宗教人口
プロテスタント 56・8%
カトリック 21・5%
英国教会 8・9%
正教 0・8%
土着宗教 7・2%
イスラム 8・3%
ヒンズー 0・4%