65年以上の歴史がある国際的なキリスト教迫害監視団体「オープンドアーズ」の米国支部で会長兼最高責任者(CEO)を務めていたデイビッド・カリー氏が1日、迫害撲滅に向けて活動する新団体「グローバル・クリスチャン・リリーフ」(GCR)を設立した。カリー氏はGCRの設立に伴い、米国支部の役職からは退任した。
GCRは1日のツイート(英語)で、次のように発表した。
「当団体は、グローバル・クリスチャン・リリーフ(GCR)という新たな名称で2023年をスタートします。また、迫害下にある数百万の信者の必要を満たし、彼らがそれぞれの地域で福音の光となって大宣教命令を前進させることができるよう、当団体のビジョンを拡大していきます」
ウェブサイト(英語)では、今後50年間に指数関数的に増加すると見込まれるキリスト教徒に対する迫害に対処するため、「迫害下にあるキリスト教徒に奉仕する世界最大の秘密ネットワーク」の構築を目指すと表明。「献身的なキリスト教徒を動員し、これまでにない人生を変えるような方法で迫害下にある(信仰の)家族を支援することにより、今後50年間で神の御国を拡大するという大きなビジョンが必要です」と訴えている。
オープンドアーズは迫害下のキリスト教徒に奉仕するため、1955年に設立された。現在は、70カ国以上で活動を行っている。創設者のオランダ人アンドリュー・ファン・デル・バイル氏は、ブラザー・アンドリューの愛称で親しまれ、昨年9月に他界した。
カリー氏の退任に伴い、英国・アイルランド支部の前CEOであるリサ・ピアース氏が、米国支部の暫定CEOに任命された。
オープンドアーズは発表(英語)で、「オープンドアーズは米国で(活動を)継続し、迫害下のキリスト教徒に奉仕するという故ブラザー・アンドリューの使命とビジョンに邁進(まいしん)します」と表明。ピアース氏は次のように述べた。
「私たちは、キリスト教徒として生きることが最も危険な国々において、目に見える教会と地下教会の双方を支援するため、必要とあればどんなことでもするという確固たる姿勢を持ち続けています」
「私たちは65年余りの忠実な奉仕を通して、奉仕国の秘密ネットワークとの間で構築した信頼関係により、極めて厳しい迫害下にある兄弟姉妹に奉仕するという前例のない機会を得ました」
オープンドアーズは、キリスト教徒に対する迫害が深刻な上位50カ国を示す「ワールド・ウォッチ・リスト」を毎年作成している。リストの作成は今後も続ける予定で、今月18日には、30周年記念版となる最新のリストを発表する。
なお、GCRのツイッター(英語)は、米国支部がそれまで使用していたアカウントを使用しているほか、米国支部の旧ウェブサイト(opendoorsusa.org)にアクセスすると、GCRのウェブサイト(globalchristianrelief.org)にリダイレクトされるようになっている。
米国支部の発表(英語)によると、新ウェブサイトのURLは opendoorsus.org となる。