メソジスト派としては世界最大とされる韓国の光林教会を牧会し、世界メソジスト協議会(WMC)会長や韓国ワールド・ビジョン理事長などを歴任した金宣燾(キム・ソンド)監督が25日、91歳で死去した。
28日午前にはソウルにある同教会大礼拝堂で、同教会が所属する基督教大韓監理会(韓国メソジスト教会)の主催により葬儀礼拝が行われた。またその後、埋葬地である京畿道(キョンギド)広州(クァンジ)市の光林修道院で下棺(埋葬)礼拝が行われた。
韓国クリスチャントゥデイ(韓国語)によると、葬儀礼拝では、基督教大韓監理会のイ・チョル監督会長がヨハネによる福音書20章16~18節から、「神のもとへ上る」と題して説教。「キム・ソンド監督は戦争と貧困、そして苦難と絶望の時代に神の可能性を宣言された」と伝えた。
また、英貴族(上院)議員で英国メソジスト教会元議長のレスリー・グリフィス牧師、国際ワールド・ビジョンのアンドリュー・モリー総裁兼最高責任者(CEO)、米ウェスレー神学校のデビッド・マクアリスター・ウィルソン学長ら、世界各国のキリスト教指導者らが映像で追悼の言葉を伝えた。
日本からも、光林教会と宣教協約を結んでいるウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会の峯野龍弘主管牧師が、映像で追悼の言葉を述べた。
キム監督は1930年、現在の北朝鮮北西部・宣川(ソンチョン)郡で生まれた。朝鮮戦争休戦後に、韓国の監理教(メソジスト)神学大学を卒業。71年に光林教会の担任牧師として就任すると、当時200人に満たなかった同教会を、教会員数約9万人の世界最大のメソジスト教会へと成長させた。
牧会の傍ら、監理教神学大学や梨花(イファ)女子大学などで教鞭を執り、米ウェスレー神学校で修士号(宗教教育学)、米フラー神学校で博士号(牧会学)を取得。94年には基督教大韓監理会の監督会長となり、WMC会長、韓国ワールド・ビジョン理事長のほか、国際ワールド・ビジョン理事、韓国牧会研究院院長、韓国ウェスレー福音主義協議会会長、ローザンヌ世界福音化韓国委員会議長など、さまざまな要職を歴任した。
韓国基督教総連合会(CCK)名誉会長、米アズベリー神学校名誉理事長、英ウェスレーチャペル名誉協力牧師など、さまざまな名誉職にも就任。また、米アズベリー神学校からは名誉神学博士号、ジンバブエのメソジスト系私立大学であるアフリカ大学からは名誉文学博士号を授与されており、韓国では監理教神学大学と湖西(ホソ)大学から名誉神学博士号、ソウル神学大学から名誉文学博士号を授与されている。
弟の金弘燾(キム・ホンド)、金国燾(キム・グクド)の2人もそれぞれ、基督教大韓監理会所属の牧師で、各自が牧会した金蘭教会とインマヌエル教会は、ソウルでも有数の大型教会として知られている。なお、キム・ホンド牧師は2020年、キム監督に先立ち83歳で死去している。
キム監督は01年に光林教会の担任牧師を退き、現在は長男の金珽石(キム・ジョンソク)牧師が担任牧師を務めている。