ローマ教皇フランシスコは11日、バチカン(教皇庁)の聖職者省長官に韓国・大田(テジョン)教区のラザロ兪興植(ユ・フンシク)司教(69)を任命した。韓国の聯合(れんごう)ニュースによると、教皇庁で韓国人が次官補以上の高官に任命されるのは今回が初めて。
バチカン・ニュース(英語版)によると、兪司教の任命は、来年8月に80歳を迎える現長官のベニアミノ・ステラ枢機卿の辞表を教皇フランシスコが受理したことに伴うもの。一方、教皇はステラ枢機卿に対し、兪司教が正式に長官に就任するまでは聖職者省の責任を担い続けるよう命じた。兪司教は長官任命に伴い、大司教の称号も授与された。
兪司教は1951年、韓国西部の論山(ノンサン)生まれ。79年司祭叙階。2003年に大田教区の協働司教に任命され、05年から同教区司教を務めている。大田カトリック大学総長などを歴任し、韓国のカトリック教会側の代表として4度の訪朝経験がある。聯合ニュースによると、教皇と連絡を取れる数少ない韓国人の一人として知られているという。
教皇は19年、福音宣教省長官にフィリピン出身のルイス・アントニオ・タグレ枢機卿を任命しており、バチカン・ニュースは「教皇フランシスコのアジア地域に対する関心を証しするもの」と伝えている。
聖職者省は各教区の司祭や助祭の身柄・職務に関する事柄を扱う省で、教会財産、特に使徒座の財産保全についても管轄する。