福音館書店の社長や会長などを歴任した松居直(まつい・ただし)氏が2日午後7時、東京都内の病院で老衰のため死去した。96歳だった。葬儀は既に近親者で行っており、お別れ会は現時点では未定だという。同書店が4日、ホームページで発表した。
1926年京都市生まれ。51年同志社大学法学部卒業。52年の福音館書店創業に参画し、編集部長、社長、会長、相談役を歴任。NPOブックスタートの会長、理事なども務めた。
53年には月刊誌「母の友」、56年には月刊物語絵本「こどものとも」を創刊。当時の児童書の常識にとらわれず、画期的な絵本制作を試みた。編集者として、『おおきなかぶ』『ぐりとぐら』『だるまちゃんとてんぐちゃん』など、今も愛されるロングセラーを世に送り出した。
また、ディック・ブルーナの「うさこちゃん」シリーズなど、戦後の日本に海外の優れた絵本を数多く紹介した。
96年には日本児童文芸家協会から児童文化功労者として表彰され、97年にはキリスト教視聴覚教育センター(AVACO)のキリスト教視聴覚教育賞を受賞した。また2014年には、キリスト教功労者として表彰されている。