日本を代表する神学者で、東京神学大学学長や学校法人聖学院理事長などを歴任した大木英夫(おおき・ひでお)氏が12日、入所先の介護付き老人ホームで老衰のため死去した。93歳だった。
葬儀は21日午後1時から、日本基督教団滝野川教会(東京都北区)で同教会と聖学院の合同葬儀として行われる。遺族代表は妻の泰子(たいこ)さん。新型コロナウイルスの影響で礼拝堂の収容人数に制限があるため、同教会のユーチューブチャンネルで配信も行う。
1928年福島県生まれ。東京神学大学大学院修了後、米ニューヨークのユニオン神学大学院に留学し博士号(Th.D. / Ph.D.)取得。帰国後、東京神学大学で教鞭を執り、学長も務めた。85年には聖学院理事長となり、同大大学院院長・教授、同大総合研究所所長などを歴任した。また、日本ピューリタニズム学会会長なども務めた。
組織神学・社会倫理学専攻。神学博士。東京神学大学名誉教授、聖学院名誉理事長。
ユニオン神学大学院在籍中には、世界的に知られる神学者ラインホールド・ニーバー(1892~1971)に師事し、「ニーバーの祈り」を日本に紹介したことで知られている。
著書・共著書に、『新しい共同体の倫理学』(上下巻)『日本は変わるか?-戦後日本の終末論的考察』『宇魂和才の説』『時の徴(しるし)』『人格と人権―キリスト教弁証学としての人間学』(上下巻)など多数。また、訳書・共訳書も、ニーバー著の『アメリカ史のアイロニ-』や、パウル・ティリッヒ著の『生きる勇気』など多数がある。