エネルギー費の高騰を受け、英国国教会は12日、所属教会の支払いを支援するために、1500万ポンド(約25億円)の基金を立ち上げると発表した。
支援は冬に間に合うように実施され、今後数カ月間にわたり、教会の暖房費用などに充てられる。
英国国教会の大主教評議会財務委員会のジョン・スペンス委員長は、基金について次のように述べた。
「政府は、小教区教会評議会などの非営利慈善組織を含む非家庭エネルギー使用者への支援を発表しています。しかし、それにもかかわらず、私たちの教会はこの冬、エネルギー料金の大幅な値上げという課題に直面しています。そこで私たちは、政府の支援の他に、独自の『エネルギー費助成金』を立ち上げることにしました」
「私たちは、この冬の間、基金の状況を注意深く見守っていくつもりです。この新しい基金が、教会や礼拝を行うコミュニティーにとって安心材料となることを願っています」
エネルギー費の高騰は、教会だけでなく、何百万人もの人々をも苦しめている。多くの教会はこの冬も地域での奉仕活動を続け、困窮する人々に暖房の効いた場所を提供する予定だ。教会は一般に建物が大きく、照明や暖房にコストがかかるため、基金は教会にとって大きな助けとなる。
また、基金からの助成金の一部は、エネルギー費の支払いのためだけでなく、エネルギー費高騰のため個人的に困窮している聖職者への支援のために利用することもできる。
約100億ポンド(約1兆7千億円)の投資資産を管理する英国国教会の財産管理機関「教会委員会」のアラン・スミス第1教会財務委員は、次のように述べた。
「1500万ポンドの基金は、教会が礼拝と牧会の中心であり続けるため、またフードバンクなどの社会活動を通じて冬の間も教会を地域に開放し続け、実用的支援を提供するための助けとなるでしょう。教会委員会は、大主教評議会および教区と協力し、小教区や地域社会における教会の奉仕を支援できることをうれしく思います」