ロマ人(ジプシー)教会が、ウクライナから逃げてきたロマ人難民支援のためにスロバキアで奮闘している。サビノフ教会は、スロバキア東部にある会員300人のロマ人教会だ。同教会はコミュニティーセンターを解放して、バスに搭乗してきた60人の難民を受け入れた。牧師のオラ氏によると、「私たちの教会はパンデミック後に活力を失っていたが、ウクライナの状況は私たちを目覚めさせた」という。教会員は非常に親切で、若者は食べ物を買いに回って、女性は人々と一緒に祈り、ある男性は貯金をはたいて皆のためにジャケットを買った。
ウクライナの国境からわずか20キロ地点にある別のロマ教会では、紛争が激化するとあっという間に難民が押し寄せてきた。この教会のゴンバル牧師は、サビノフ教会に助けを求めた。彼の要請に対して、サビノフ教会のみならず他の教会からも食料や衣類が送られてきた。
これがきっかけとなり、ロマ教会と非ロマ教会など、11の教会が共に奉仕する非公式な連帯が生まれた。ロマ教会は、すべての難民を助けたいと申し出たが、国境や難民センターで差別を受けているロマ人難民のことが報道されると、彼らはこれらのロマ人に奉仕することに決めた。ロマ人信者らが言語的にも文化的にもロマ人難民に通じていることは、この危機における神の恵みだ。ゴンバル氏は、政府の対応チームの一員としてロマ人難民を助けている。
ウクライナには公式に5万人のロマ人がいるとされるが、しばしば住民登録しない彼らの推定実数はその8倍にもなるといわれる。フランスの「命と光親交会」は、ロマ人専門の宣教部門を持っており、ウクライナ各都市に閉じ込められた数千人のロマ人のために、大型トラック5台分の救援物資を届けた。
欧州各国で、ジプシーは一般的に社会制度の外におり、被差別階級とされる。近年このジプシーの間に福音が届き、彼らが変えられ、教会として活動している。福音には人を変える力がある。彼らロマ人がいよいよ力強く福音を証しし、人々を助け、 救いのために奉仕できるよう祈っていただきたい。
■ スロバキアの宗教人口
新教 9・4%
旧教 79・8%
正教 1・1%
無神論 6・5%