東京都内や近県の諸教会・団体が協力して開催する「第59回首都圏イースターのつどい」が24日、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で開かれた。昨年に続いて、新型コロナウイルスの感染症対策のため入場制限が実施される中、前実行委員長の高木康俊牧師(蓮根バプテスト教会)が、使徒の働き16章31節から「永遠のいのちの希望」と題してメッセージを伝え、「聖霊の風が吹けば、必ず日本にリバイバルは起こる。私たちの行いではない」と強調した。
実行委員長の姫井雅夫牧師(日本基督教団赤坂教会)は冒頭で、長引く新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻など、社会全体が暗い雰囲気に包まれる中で、世界中の人々にイエス・キリストの復活を伝えたいと語った。姫井牧師の呼び掛けに応じて参加者全員が、「イエスはよみがえられた。ハレルヤ」と力いっぱい声を上げた。
賛美ゲストとして出演したゴスペルシンガー・ソングライターの竹下静さんは、ゴスペルピアニストの山本裕太さんとステージに立ち、黒人霊歌「きみもそこにいたのか」や自らの救いの証しを歌にしたオリジナル曲「ただあなたの愛の中で」など4曲を賛美した。
連日報道されるウクライナ情勢のニュースに心を痛める一方で、その残虐性が人間の罪の性質であるとあらためて気付かされ、「私の心の中にもその罪の性質があるのだと思うと、心が張り裂けそうになってしまいます」と竹下さん。「でも、こんな私のことも愛して、その罪の責めを負って十字架にかかってくださったのが、イエス・キリスト。その方が、命を懸けて私を愛してくださっていること、そして、その復活の希望が、自分の罪の性質を思い起こすことでより深く、何という恵みだろうかとあらためて思わされています」と語った。
高木牧師は、自らが信仰の決心や牧師への献身に導かれた一方的な神の恵みと、小学生の頃から悩まされていた吃音(きつおん)が劇的に癒やされた体験を証しし、「聖霊の風が吹けば、人知では計り知れない奇跡や癒やし、神の御業が起こる」と力を込めた。
「イエス様が十字架にかかって私たちの罪を赦(ゆる)し、聖(きよ)めてくださり、癒やしてくださった。それ以外に救いはありません。私たちクリスチャンは、牧師や伝道者であっても、どんな宣教師や教会の偉大な指導者であっても、イエス様の十字架の贖(あがな)いによって罪を赦され、聖められ、癒やされたと信じ、徹底してその一点に頼らなければ、日本にリバイバルは来ない」と指摘。「ただ一点、イエス様の十字架の贖いの力に、心を向けていこうではありませんか」と呼び掛けた。
「イエス様は今も生きて働いておられる」と高木牧師。「十字架の贖いの力によって聖霊の息吹を注いでいただいて、私たちは癒やしを受ける。神様の御業によって、イエス様を信じない多くの人が、今その場でイエス様を信じる。イエス様の十字架はその一人一人のためであったと信じて私たちが祈るならば、徹底して、自分の行いではなくイエス様の十字架の贖いの力であると信じ抜くならば、その人々を神様がとらえて聖霊の風を吹かせ、私が信じたように、私が献身したように、私の吃音が癒やされたように、必ずや神様は、その人を救ってくださる。あなたの家族も、御言葉通りに救ってくださる」と伝えた。
メッセージの後には、その日初めてイエス・キリストを信じる決心をした人、また、新しい心でイエス・キリストを信じ、すべてを委ねて従う決心をした人が、高木牧師の呼び掛けに応じ、手を挙げてその決意を表明した。
首都圏の教会が協力して開催するイースターのつどいは、放送伝道を行っている太平洋放送協会(PBA)がラジオ聴取者の決心の場として、1963年に新宿・伊勢丹デパートの屋上で開催したのが始まり。それ以降「連合イースターのつどい」「都民イースターのつどい」「東京イースターのつどい」と名称を変えつつ、現在の「首都圏イースターのつどい」に至るまで半世紀以上にわたって続いている。新型コロナウイルスの影響で一昨年は延期となったことから、今年で59回目の開催となった。集会の模様は、後日動画で公開される予定(ユーチューブで「首都圏イースターのつどい」と検索)。