11月の半ばを過ぎる欧州では、新型コロナの新規感染者が軒並み過去最多の記録的な数に達している。オランダやオーストリアのような比較的人口の少ない国でも、1日の感染者が1万人を超えている。
物議を醸しているのが、ワクチン未接種者を対象とするオーストリア政府の厳しい対応だ。未接種者には、食料品の購入や出勤通学などの基本的な活動以外、外出禁止措置を課すもの(11月22日から10日間は全体の封鎖)で、未接種者への高額罰金や懲役刑の導入検討など、事態はエスカレートの一途をたどっている。ここまで来ると、これは明らかに未接種者に対する不当な人権侵害だ。
同国政府は来年の2月から接種を義務化するとしているが、そもそも接種率が7割近く進んでいるにもかかわらず感染拡大が止まらないワクチンや、ワクチン自体の安全性などの疑問が一向に払拭される気配がない。
FIFA所属のプロサッカー選手の心臓突然死が、ワクチン接種後の2021年は、例年と比べると500パーセント増加と異常な数値を示している。接種対象者の若年齢化や、「接種完了」の定義が3回目、4回目と増やされる気配さえあり、薬害などの弊害と安全のバランスがどのように図られるのか、一向に透明性が見えない。
先日、同国内相が「国民は今後、いつでも警察にチェックされる可能性があることを認識しなければならない」と発言したが、ワクチンの賛否とは別に、自由や人権が毀損(きそん)される憂慮すべき事態へ移行しつつあることは、よくよく注視すべきだろう。
オーストリアおよび欧州での自由が守られ、福音宣教が前進するよう祈っていただきたい。
■ オーストリアの宗教人口
カトリック 64・5%
プロテスタント 4・5%
無神論 11・5%
イスラム 5・5%
ユダヤ教 0・1%