ローマ教皇フランシスコは29日、バチカン(ローマ教皇庁)で行った「お告げの祈り」(アンジェラスの祈り)で、アフガニスタンの女性や子ども、そして先週カブール空港で起きた自爆テロにより犠牲になった人々に深く心を寄せ、同国の人々のために祈りと断食を行うよう呼び掛けた。
教皇は、クリスチャンにはアフガニスタンの「悲惨な状況にある人々」の必要に応える義務があり、世界は「無関心でいることはできない」として次のように述べた。
「私は、アフガニスタンの状況を非常に心配して見守っています。26日に起きた自爆テロで命を落とした人を悼む人々や、助けや保護を求める人々と苦しみを共有します」
そして教会に対し、今回の事態により困難にある人々への支援を呼び掛けた。
「対話と連帯が、平和で友愛に満ちた共存につながり、アフガニスタンの将来に希望を与えることを祈ります。私は、すべての人に祈りの強化と断食の実践をするよう訴えます。祈りと断食、祈りと懺悔(ざんげ)。今がその時です。私は真剣です。祈りを強め、断食を実践し、主に憐(あわ)れみと赦(ゆる)しを求めましょう」
英国は、アフガニスタンから1万5千人を空輸した後、首都カブールからの避難便を終了したが、出国する資格のあった数百人がいまだ現地に取り残されている。イスラム武装勢力「タリバン」は、31日の期限以降もアフガニスタン人の国外退避を認めるとしているが、英国はこの約束を「懐疑的」だとしている。
英国のジェームズ・クレバリー中東・北アフリカ担当外相は、英BBCの情報番組「ブレックファスト」で、取り残された人々に国外脱出の「絶対的な保証」を与えることはできないとしながらも、次のように語った。
「もし(タリバンが)アフガニスタン政府のように行動し始め、同国内の移動と国外への脱出の両方を容易にするようになれば、われわれはそれに基づく形で彼らと関わることになるだろう」