世界福音同盟(WEA)は31日、新たに「グローバル伝道ネットワーク」(Global Evangelism Network=GEN)を立ち上げたと発表した。WEAのグローバル・ウィットネス部門の一部署として、伝道活動に焦点を置いたムーブメントや組織の橋渡し役になることを目指す。
発表(英語)によると、初代事務局長には台湾出身のサミュエル・E・チェン氏が就任した。チェン氏は、大手国際会計事務所「アーンスト・アンド・ヤング」に勤務していた経験があり、現在は北米を拠点にしているが、かつては25年間香港を拠点とし88カ国を訪問、その内40カ国近くでコーチングやコンサルティングを行ってきた。人工知能(AI)関連の企業設立などにも携わった経験があり、聖書翻訳事業を手掛けるシード・カンパニーの最高経営責任者(CEO)を務めたこともある。
チェン氏は就任に当たり、「世界的に見て、私たちは時代の転換期におり、文化の変化に対応し、聖書にしっかりと根ざした伝道の神学をリアルタイムで行う必要があります」とコメント。「WEAが今世紀の伝道に新たに力を入れていることをうれしく思います。また、伝道に力を入れている指導者、組織、ムーブメントとつながり、GENがこのような方法で世界の教会に仕えることを楽しみにしています」と語った。
GENは具体的には、伝道のアイデアや実践を共有し、協力の機会を提供するため、各指導者を集めた会合やフォーラム、カンファレンス、その他の集会を開催し、現代の世界的な状況における伝道の実践に関する研究を行う。WEAはこうした活動について、「すべては聖書に忠実な伝道の神学を確認し、より効果的な世界伝道に貢献するため」としている。
WEAのトーマス・シルマッハー総主事は、GENの立ち上げを受け次のように語った。
「WEAは伝道活動については長年、他の世界的な福音派の活動家にある程度を委ね、宣教委員会が部分的に担ってきました。しかし今こそ、グローバル・ウィットネス部門に設置された目に見えるネットワークにすべての努力を結集し、伝道をめぐる多数の伝統的な組織と、世界中で増えつつある新しい福音主義的な活動家を結び付けるべき時です。GENの立ち上げによって、WEAが行っているすべての活動が、福音を言葉で伝えることの重要性に取って代わるものではなく、またその重要性を低下させるものでもないということが伝わることを願っています」