ガザからのロケット弾とそれを迎撃するアイアンドームが空中に飛び交う非日常にさらされたイスラエルとパレスチナでは、全国的に一般市民の不安が増大した。一方、地上では過激派のアラブ人がユダヤ人居住者を襲い、強硬なユダヤ人右派の自警団がアラブ人らにリンチを加える状況もあった。
ガザからのロケット弾は3千発以上発射されたが、そのうちの少なくない数(4分の1という報告もある)が、飛翔距離不足のために、同じガザ地区に落下してパレスチナ住民を苦しめたようだ。ほとんどのパレスチナ人は善良な市民であり、テロとは全く無関係だ。また、パレスチナ人の中には少なくないキリスト信者もいる。
そのような折、イスラエルの「ジョシュア・ファンド」という宣教団体の会衆やリーダーらは、イスラエル人とパレスチナ人の双方のための祈りと平和を、世界に向かって呼び掛けた。その中には、共に祈るパレスチナ人牧師とユダヤ人牧師の姿もあった。
政治的な激動によって苦しむのは、いつも無辜(むこ)の市民だ。そして、国家間や政治的対立に赦(ゆる)しや和解の架け橋を渡すのも、市民同士の友情や交流に鍵がある。もしそうであるなら、ましてや天に国籍を有するわれわれキリスト者に委ねられた、国境や民族を越えての大使(ambassador)としての役割には、なおのこと大きな重責が伴うのではないか。
パレスチナ人キリスト者とユダヤ人キリスト者とが双方の平和の架け橋になり、主の御名があがめられ、福音宣教が進むよう祈っていただきたい。
■ パレスチナの宗教人口
イスラム 87・7%
ユダヤ教 8・5%
プロテスタント 0・06%
カトリック 0・4%
正教 0・9%