日本テレビが情報番組で、アイヌの人たちを傷つける不適切な表現があったとして謝罪した問題で、日本基督教団は16日、「到底許されない蔑視発言」だとして非難する北海教区の声明(13日付)を教団のホームページで公開した。
同教区は、教区内にアイヌ民族情報センターを組織し、アイヌ民族をはじめ、さまざまな先住民族との交流や支援などを通して、先住民族の権利回復と差別撤廃のために働いている。声明は、同教区の原和人総会議長と同センターの三浦忠雄主事が連名で発表した。
日本テレビは12日に放送された情報番組「スッキリ」で、アイヌの人たちを傷つける不適切な表現があったとして同日夕方のニュース番組内で謝罪した。声明は、「この問題は、『不適切』どころか、アイヌ民族の心情を著しく傷つけるものであり、私たち、とりわけマジョリティである『和人』の差別性を大きく表したもの」と指摘。一連の収録を担当プロデューサー、ディレクターが監修したのであれば、今回の発言を許すに至ったことについて自己検証すべきだとした。
また、「この発言の問題は、当該番組における発言者だけにあるものではありません。私たち和人がいかにアイヌ民族に対して無知であり、無意識のうちにアイヌ民族の方々を踏み躙(にじ)っているのかという問題」と指摘。今回の問題を機に、「共生」するとは何なのか、差別のない世界をつくるにはどうすればよいのかを共に考える機会とすることを望むと訴えた。