米ニューヨークの大聖堂で13日午後、屋外で行われていたクリスマスコンサートの現場に男が乱入し銃を発砲する事件があった。男は警官に撃たれて死亡。観客にけがはなかった。
事件があったのは、米国聖公会ニューヨーク教区の主教座聖堂であるセント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂。ロイター通信(英語)によると、男はコンサート終了後に「俺を殺せ」などと叫びながら大聖堂前の階段部分から発砲したという。
現場には当時、警官3人が居合わせ、男に向かって計15発を発砲。うち1発が頭部に命中し、男は病院へ搬送されたが死亡が確認された。警察は、現場で半自動拳銃2丁を回収。男が所持していたとみられるカバンには、ガソリン入りの缶、ロープ、ワイヤー、ナイフ数本、聖書、テープが入っていたという。
現場は、ニューヨーク・マンハッタン地区の北西部。同大聖堂のクリスマスコンサートは毎年恒例のもので、今年は新型コロナウイルス感染防止のための規制により屋外で開催された。コンサートには約200人が参加していたが、男が発砲したのはコンサートが終わってから約15分後で、その時点で観客は15人ほどしか残っていなかったという。
同大聖堂は同日、フェイスブックに「待望されていたわれわれの聖歌隊からのニューヨークへの贈り物である『歌と結束の午後』が、このようなショッキングな暴力行為により中断されたことは恐ろしいこと」とするコメント(英語)を掲載。「われわれは力強さと一致を保ち続け、祈りと黙想、また来るホリデーシーズンを祝う安全な場所として奉仕する」とした。
ニューヨーク市警のダーモット・シア本部長は現場で開いた記者会見(英語)で、正式な身元確認を待っている状況としつつも、男は52歳で、1990年に第2級殺人罪(殺意をもって故意に人を殺害したが、計画的ではない殺人)により有罪判決を受けているなど、前科があることを明らかにした。