日本ナザレン教団(江上環〔たまき〕理事長)は10日、公式サイトで「日本学術会議への人事介入に対する反対声明」(9日付)を発表した。
日本学術会議が推薦した次期会員のうち、6人が菅義偉首相により任命を拒否されたことについて、声明は憲法23条で保障された「学問の自由」を侵害するものだと指摘。「任命は形式的なもので、推薦された者を拒否することはない」としてきた過去の政府見解から、任命拒否は可能と解釈が変わったことについては、「行政の裁量を越えた恣意的な権力の発動であると疑わざるを得ません」としている。
また、任命拒否の目的や理由の説明なく、政府に批判的とされる研究者を除外することは、「学問の自由独立を脅かし、研究活動を委縮させるものであり、この国における言論と思想の自由そのものを危うくさせる」として危惧した。
その上で、戦時中の宗教弾圧にも触れつつ、「キリスト教信仰が長い歴史を通して生み出した、人間の尊厳、信教の自由、そして民主的社会を、守り支える意志によって、この度の措置に抗議します」とし、6人の任命拒否の撤回を強く求めた。