世界福音同盟(WEA)は、スイス・ジュネーブで開催されている国連人権理事会第45回会合で、トルコがこの2年間にプロテスタントのキリスト教徒60人以上を、正当な手続きなしに恣意的に強制送還または入国禁止にしたとして、決定の見直しを求めた。欧州の福音派メディア「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)が9月29日に伝えた。
エバンジェリカル・フォーカスによると、WEAのアドボカシー担当官であるウィサム・アルサリバイ氏は、会合の場で2つの事例を紹介。1人はトルコに20年間居住していたスリランカ国籍の男性で、キリスト教徒のトルコ人女性と結婚し4人の子どもがいたが、入国禁止令を受けた。もう1人は夫と共に30年間トルコに居住していた女性で、短期旅行からトルコに戻る機内で突然、入国禁止令を受けた。さらに、英国に強制送還される前には、窓のない入国管理局の留置所に3日間勾留されたという。
WEAは、これらのキリスト教徒は突然、家族から引き離される形になり、トルコ国内にあった自身の所有物へのアクセスも拒否されたと指摘。さらに、強制送還・入国禁止となった理由は、国家安全保障に関する脅威以外は何も説明されておらず、弁護士が決定文書の開示を求めても拒否されたとして、国連の人権規約である「自由権規約」(ICCPR)に反するものだと批判。決定の見直しや、なぜこのような決定が下されたのかの調査も求めた。
WEAは第45回会合の開催期間中、他にもジンバブエやパキスタン、スウェーデンにおける信教の自由の問題についても取り上げている。